鮒の里

　　　　看脚下
　足もとを見よ、禅寺の玄関にはこう書かれた札が下がっている。履き物をそろえよ、という意味でない、修行の第一歩として自分を見つめよと教える。禅寺に入門するときに、まず自己を見る、「看脚下」、するのである。よそ見をしてはだめだ、と教えている。つい他人を見てしまう、他人と比べてしまう、人間は煩悩ゆえだ、何事にもとらわれたり、こだわったりしない、また善とか悪とか区別しない。起こったことをありのまま受け入れるのが、禅の教えだからだ今の一瞬を大切に懸命に生きれば、それでよい。過ぎたことや、これから起こることを心配してもしかたがない。そう教えているのだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　禅の心より．．．．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　立江川の鮒より