monologue
夜明けに向けて
 

  


***

 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より


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「私は言葉を切り揃えはしない。」の「私」はこれまたなんでもなさそうな顔をしているがこれは「わたし」と読むのだろうか。なぜ漢字を使用しているのか、ひらがなではいけないのか。一体だれのことなのか。ARIONが一人称で自らを指しているのか。それとも…。

 「私」は「わたくし」とも読む。それを「わたし」とひらがなで読み方を限定してはいけなかったようだ。「わたくし」であればこれまでの流れで「輪田串」という漢字を当てる可能性が強い。輪(竜)のように回転する「田」に上下の□を貫く串。そういえばニギハヤヒも「天照国照彦天火明奇甕玉饒速日尊」という長い名前に奇(串)を持っている。そんな私は「言葉を切り揃えはしない。」という。意味があるようで抽象的で曖昧でなんのことかはっきりしない。「言葉」を切り揃えるという表現は詩的で正しいようだがなんだかしっくりこない。「言葉」という漢字が文章に対して重すぎるのだろうか、ひらがなではだめだったのか。
  
  そこで思い切って「私は言」「葉を切り揃えはしない。」としてみる。すると新約聖書「ヨハネによる福音書」第1章の「はじめに言ありき」創世は神の言(ロゴス)からはじまった。すなわち言は神。ということを思い出す。

 そう、創世神は言(ことば)であったのだ。そしてかれは葉を切り揃えはしないという。かれが創造し植えて末広がりに生え育った葉(八)を切り揃えないのだ。わたしたち人類の場合もその自主性にまかせ手をくわえず進むがままにまかせるというのである。わたしたちは自立し自分の責任において進化あるいは絶滅の道を選び歩まねばならない。これまでにすでに二度絶滅の道を選んでしまったがはたして今回は…。
fumio

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夢魔  




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 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より


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 「夢魔は去った
 だが夢も去った」
この句には手こずった。簡単そうでなんのことかわからない。思わずパスしたくなる。以前の解読時、これという手がかりがないのでなんとかその時々の事件、社会情勢を織り込んで意味をもたせようとしたがどこかずれていて正解とは思えなかった。

  今回は気分と切り口を変えて「夢魔」の音霊から迫る。「MUMA」を逆転してAMUMにしたり、色々アナグラムしてみる。するとMAMU、MMAU、UMMA、AMMU、UAMM、AMMU、MUAM、等々、意味をなさない文字の羅列が並ぶ。そして「AUMM」というアナグラムにたどり着いた時これは聖音AUMにMがついていることに気付いた。AUMは(誕生、維持、破壊、死)というワンセットの生命の工程で回転し続けるのだがそれにMの「破壊、死」がまだ余計にくっついているのだ。これではAUMの回転が止まる。そんな夢魔(M魔)が去った。ところでそのあとの「だが」はただの逆接の接続詞だろうか。一見そのように見えるが預言の場合はなんでもなさそうなところに鍵が隠してあることがある。「だ」は田がぶれて濁って濁点がついたもので「が」は「の」の意味、それで「田゛が(の)夢も去った」ということ。冷静に考えないとややこしくて混乱するがつまり田の回転するはずが余計なMがついて濁った「AUMM」の「夢(M)」も去った。それでいらない「M」がとれて新たな「AUM」が始まる。大物主(AUMのぬし)がいよいよ新時代建設の端緒を切ったというのである。
fumio


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