monologue
夜明けに向けて
 



  わたしは1976年11月に渡米する際、ボズ・スキャッグスのアルバム「シルクディグリーズ」やボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「ライブ」などお気に入りのアルバムをコピーしたカセットテープとともにカセットテープレコーダーを持参していった。まずZODYSという店で安物のステレオセットを購入してカセットテープレコーダーを接続してそれらのテープを一人暮らしのアパートで繰り返し繰り返し聴いたものだった。そして1977年になるとリタ・クーリッジの「ウイ・アー・オール・アローン」 がヒットして驚いた。それはあのボズスキャッグスの「シルクディグリーズ」に収録された名曲のカバーだった。ビルボードでは11月26日に第7位まで昇った。アルバム「シルクディグリーズ」の一曲としてしか認知されていなかったこの曲はリタ・クーリッジのカバーによって大衆の支持を受けることになったのである。同じ学校のオルガという歌がうまいアルゼンチン女性が歌いたがってわたしにバックのギター伴奏を頼むので譜面を見て弾くとそのコード進行に心を奪われた。オルガはこの曲で「ゴング・ショー」というNBCの番組のオーディションを受けた。「ゴング・ショー」にはその半年ほど前にわたしは「ジョージア・オン・マイ・ンマインド」を歌って出演していた。それでかの女もトライしたのだ。しかしながらこの「ウイ・アー・オール・アローン」を歌いこなすには相当な力量が必要だったのである。選曲のミスか、残念ながらオルガは落ちてしまった。ボズ・スキャッグス もリタ・クーリッジも普通のレベルではなく抜群の歌手だったのだ。
fumio

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )