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monologue
夜明けに向けて
 




 シンガポール共和国は、赤道直下、東南アジアのほぼ中心でマレー半島南端とジョホール海峡で隔てられているシンガポール島と周辺の島を領土とする都市国家である。ライオン(Singa)の都市(Pura)」「Singapura(シンガプーラ)」という意味である。上半身がライオンで下半身は魚である守り神マーライオン (Merlion)が印象的だった。到着したシンガポール・チャンギ国際空港はすごく立派できれいな空港だった。唾を吐くと罰金をとられるほど国をあげて町の美化にとりくんでいるらしかった。

 案内された大会運営本部にはカメラマンの山下伸一郎さんを中心とするNHKの撮影クルーもすでにやってきていて撮影を始める。大会運営関係者との会話は英語だった。シンガポーリッシュと呼ばれる独特の英語で通訳がついた。第1日目は市内バス観光で各国の代表団が乗り込み、めぼしい観光スポットをまわった。マレーシアの代表団はわたしたちを見ると「わかりあえる日まで」を口ずさんでみせてくれた。不思議な気がしたけれどテープかヴィデオであらかじめ知っていたらしい。バスの中にギターを持ち込んできたグループもいて楽譜なしで演奏できるビートルズその他の様々な有名曲を弾いて和気藹々と楽しんでいた。でも歌詞はだれもあまり覚えていないようだった。それで昔取った杵柄(きねづか)でかれらの弾く歌はみんな歌詞なしで歌えたのでわたしがリードして歌い盛りあがった。音楽はやはり世界の言葉だった。喋らなくても歌えば通じ合える。食事は辛いものが多くてわたしの口には合わなくて腹を下してしまった。

 二日目に舞台稽古があった。日本の代表曲は二曲選ばれていた。わたぼうし大賞の「わかりあえる日まで」と文部大臣賞に輝いた、熊野ゆかりさんの作詞した「祈り」である。「祈り」は作曲した歌のボランティアの小園優子さんと熊野さんがふたりで歌っていた。配られたショーのパンフレットには「わかりあえる日まで」は「By the day we see eye to eye」として英語の歌詞が印刷されていた。シンガポールは英語圏でなのでやはり英詞にして良かったのだと思った。しかしわたしたちが舞台に立って歌の稽古に臨んだとき、異論がでたのである。
fumio

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