8月16日(水)
終戦記念日の昨日、NHKテレビ「戦慄の記録インパール」というスペシャル番組を観た。インパール作戦は戦局打開を図る為インド攻略を目指す無謀な戦いであったが、日本陸軍史上最悪の敗北におわった。
番組では作戦に動員された多くの日本兵の絶望的な戦いが描かれており、生き地獄のような悲惨な情景に胸塞がれる思いがした。一方作戦を遂行する牟田口中将を核心とする軍上層部の冷酷非情、無知、無能な所業の数々に許し難い怒りを覚えた。
軍エリートの気まぐれな功名心の犠牲となって多くの兵士が虫けらのように死んでいった不条理を思うと、戦争の残酷さと平和な世の中のありがたさを深く考えさせられる番組だった。
実を言うと私の父親も、捕虜となってビルマで終戦を迎えた兵士だと聞いた。幸運にも日本に生還できだから私もこの世に生まれたのだが、戦地の事は死ぬまで殆ど話さなかった。父親が酒に溺れて戦後荒れた人生を送ったのは、戦場の悲惨な体験が影響したのかも知れぬと、今になって思う。