Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

カラパタールトレッキング6日目

2018年11月24日 | ヒマラヤ・カラパタール紀行

 10月28日(日)     天気=晴れ後曇り

ナムチェバザール07:40→ 11:05~25キャンジュマ→ 11:56~12:40プンキテンガ→ 14:58タンボチェ  (歩行7時間)

 

 今朝も厳しい寒さだが、朝陽輝く心地よい朝を迎えた。屋根の上にはコンデリの白い鋭鋒が輝いている。軽い準備体操をした後にAM7:40頃ホテルを出発する。ナムチェの外れまでは昨日シャンボチェへ歩いた道と同じだったが、その先から山腹を巻く水平歩道となる。

 ナムチェ村のはずれ(この先からトラバース道が始まる。写真は妻とニマさん)

 世界一美しいトラバース道が始まる

 水平歩道はエベレストやローツェ、アマ・ダムラム等のヒマラヤ高峰が素晴らしい景観で、「世界で一番美しいトラバース道」と呼ばれている。確かにその名に違わぬ眺めで、歩いていても心弾むものがある。

 息を飲む景観(左よりエベレスト、ローツェ、アマ・ダムラム)

 道の途中に建つ仏塔

 道の途中で募金を募る一人の年老いた地元住民がいた。彼の名はパサン・ラマさん、50年来個人でこの道の整備に尽力している人だ。募金は整備の資金を得る為らしく。行き交う殆どの人が募金していた。

 募金を募るパサン・ラマさん

 長々と続く水平歩道だが、道沿いには集落が点在しロッジや売店も数多い。行き交う人も絶える事が無く、ハイシーズンの富士山や尾瀬の歩道を思わせる賑わいだ。

 キンジュマの土産物店

 ティタイムをしたキンジュマのタムセルクロッジ

 進むにつれ怪異な姿をしたアマ・ダムラム峰がだんだん大きくなってくる。私が子供の頃に何かの写真でこの山を見て、「世界にはこんな凄い山があるんだ。何時かは本物を見てみたい。」と幼心に思った記憶がある。その山が、今目の前に聳えている。

 アマ・ダムラム峰(中央奥6812m)と手前の尾根上にタンボチェの集落が見える

 アマ・ダムラムの手前に見える緩やかな尾根上に、今宵の宿泊地タンボチェの家並みが小さく望まれる。そう遠くに感じないが、そこへ行くには一旦深い川底まで降り再び登り返さなければならない。

 長い吊橋を渡る

 水平道からジグザグに降ってドード・コシ川まで200m程標高を下げ、川に架かる長い吊橋を渡る。吊橋を渡ったすぐ先のプンテキンガのロッジでランチタイムとなる。今日のメニューはパスタにポテト炒めなど、疲れた身体を癒す美味しい料理だった。

 プンテキンガのロッジ(ここからタンボチェまで急登が続く)

 プンテキンガからタンボチェまで標高差600mの長い登りが始まる。ナムチェ坂に優るとも劣らないエベレスト街道の難関で、この坂を登り切らないと宿泊地のタンボチェへ辿り着かない。

 タンボチェへの長い登

 標高が上がるにつれ川音が小さくなり、頭上を見上げると今までタムセルクに隠れていたカンテガ峰(6779m)が圧倒的な存在感で高く聳えていた。約2時間の苦しい登りを終え、尾根上に数軒の建物が点在する標高3876mのタンボチェ集落に着いた。此処はもう富士山の山頂より高い場所だ。

 見上げるカンテガ峰(6779m)

 今宵我々が泊るのは「ホテルヒマラヤ」という立派過ぎる名前のロッジで、(エベレスト街道ではヒマラヤの名を名乗るロッジが多い。)部屋の間取りはシンプルながら窓から眺めるエベレストとローツェの眺めが豪華だ。

我々が泊るヒマラヤホテル

 タンボチェからエベレスト、ローツェの眺め

 同 上

 夕食まで時間があったので、シェルパ頭のニマさんがラマ仏教のお寺「タンボチェゴンパ」を案内してくれた。小さな集落にしては立派な寺院で、中は無料で見学できるが写真撮影は禁じられた。仏像を宗教画など異郷の文化と伝統が偲ばれ、有意義な体験であった。

 タンボチェゴンパの艶やかな門

 タンボチェゴンパ

 寺院内で憩う僧侶達

 お寺を出ると100m程離れた場所まで、添乗員のCさんが案内してくれた。そこには世界初の冬期エベレスト登頂を成し遂げその直後遭難死した登山家「加藤保男」や、その他エベレストで亡くなった日本人を含む何人かの登山者を偲ぶ慰霊碑が建立されていた。彼らの慰霊碑がエベレストとは逆のルクラ空港方面へ向いていたのは、生還を果たせなかった彼らの望郷を慮ってであろうか。

 登山家「加藤保男」の慰霊碑

 慰霊碑の建つ場所からは長々と横たわるコンデリ峰が正面に望まれ、輝く夕日がその中へ没しようとしていた。明日は怪峰アマ・ダムラムの山麓を通りディンポチェへと向かう。

 コンデリに夕日が沈む

 

 

 

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