人間に限らず、陸上で生きている動物や海で生きている動物・魚類には、必ず体を保護する膜のようなものがあります。この膜が無くなると大抵の動物・生き物は死にます。
人間の場合に、この保護する膜に当たるのが皮脂膜であり、この膜で皮膚が覆われているからこそ生きていられるし髪の毛も存在していると言っても過言ではありません。
皮脂が分泌されているから髪の毛が育つ
皮脂が分泌されるのは、人の体を乾燥から守り、細菌やウイルス・異物の侵入を防ぐ為です。その為、体内から外に向かって分泌され外部から体内に入るのを防いでいる第一関門でもあるのです。天然の保湿剤であり保護膜でもあると言えます。
また、人の皮膚上には皮脂をエサとする皮膚常在菌が住んでいて、その常在菌のうちの表皮ブドウ球菌等の善玉菌の分泌物で弱酸性に保たれているのです。そのおかげで細菌やウイルスの繁殖しづらい環境が作らています。
頭皮を清潔に洗うと言う行為は、この皮膚を守るバリアを破ることになるので、頭皮のトラブルや薄毛の原因の一つを作ってしまうのです。皮膚のバリア機能を整えることが、髪の毛が育つ環境を作ると言うことでもあるのです。
皮脂の分泌能力は強い弱いがある
皮膚を守るバリアに必要な皮脂の分泌能力には、人により強い弱いの個体差がとてもあります。
皮脂の分泌能力の強い人は、頭皮がベタついていないのに、頭皮の皮脂が減ればすぐさま分泌されて保護膜を形成しまし、常に皮膚表面を守り切っているので、外部からの作用や刺激に対しても強く防ぎます。
カラーをしても何の問題がないとかヘアケア製品を使っても何の問題のないとか、気温の上下が激しい時に疲れてもすぐに回復するのも皮脂の分泌能力の強い人です。
皮脂の分泌能力の弱い人は、皮脂の分泌量が少ないのに、頭皮を良く洗うとベタついた感じになりやすいです。元々皮膚表面の皮脂が少ないので、ちょっと増えるだけでベタついているように感じますし見えるのです。
皮脂膜による保護する力が弱いので、カラーをするだけですぐに頭皮が痛んだりしやすく、ヘアケア製品も使い方を間違えると被れたりします。気温の上下が激しい時には疲れやすく、休んでも回復するのに時間がかかるのも皮脂の分泌能力の弱い人です。
皮脂の分泌能力は弊社での温浴をするとよくわかります。能力の強い人は頭皮がテカっていなくても皮脂の取れる量はかなり多いですが、能力の弱い人はテカって見えるのに強い人の半分も取れないです。
皮脂の分泌能力の強い人は薄毛になりにくい
上記の通り皮脂の分泌能力の強い人は、外部からの作用が刺激・変化に対して保護と回復する力が強いので、頭皮への作用や刺激による薄毛にはなりにくいタイプと言えます。
その上、薄毛にはなりにくいタイプであると同時に回復力も強いので、薄毛になっても回復しやすいのです。
初期の薄毛の時（ちょっと透ける程度）に育毛剤で簡単に治るようなタイプです。
皮脂の分泌能力の弱い人は薄毛になりやすい
反対に皮脂の分泌能力の弱い人は、外部からの作用や刺激・変化に対して保護する力が弱いので、頭皮への作用や刺激による薄毛にとてもなりやすいタイプと言えます。
頭皮を清潔にする行為で薄毛になりやすいのもこのタイプの人です。
その上、薄毛になりやすいタイプであると同時に回復力も弱いので、薄毛になると回復するのに時間と手間はかかるタイプでもあるのです。
初期の頃であって、ちょっとボリウムがなくなっただけであっても、育毛剤の効果に負けてさらに薄毛を進行させやすいのもこのタイプの特徴です。
現在の薄毛の人の中で皮脂の分泌能力が弱いタイプは、薄毛の人の中で8割以上ではないか？と思います。
皮脂の分泌能力の強い弱いで、正反対のタイプに分かれることを記述しました。この両極端だけしかないのはなく、強いと弱いの間には無数の強さ弱さの段階があります。その為、全てが両極端に分かれるのではなく、人により少しずつ違う反応をするものだと思って下さい。
皮脂が増える理由が薄毛の原因の一つ
薄毛になりやすいのは、比較的皮脂の分泌能力が弱めのタイプです。こんな人が皮脂を取るように、頭皮を清潔にするケア方法を採っていると、防御力と回復力が弱いので薄毛になりやすいです。
頭皮を清潔にすることが、薄毛の原因の一つになるのです。そんな人の頭皮はテカって見えますし、ご自身も頭皮がベタついたように感じます。
皮脂を取ってはダメなんですよ。と訴えている理由です。
ちなみに、最近は酸化した皮脂があるから取らないとダメとか過酸化脂質がとか、育毛剤を効かす為とか、皮脂をとって頭皮を清潔にするケア方法が推奨されることが多いです。
ここでは詳しくは記述しませんが、酸化した皮脂とか過酸化脂質の問題は、頭皮と言うよりも食事や環境の問題なので、取ったところで再度分泌されて増えるだけですから何の解決にもなりません。
育毛剤を効かす為なんかは、育毛剤の作用に負けやすいのが薄毛の人なので、何をか言わんやです。
過酸化脂質については以下のページをご参照下さい。
過酸化脂質が問題か？
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