育毛の道案内人のこのブログでは、ずっと何度も、「発毛させても抜け毛を減らしても薄毛は治りませんよ」と訴えてきました。そうではなく、「ちゃんと自分の髪の毛が成長する方法を採りましょう」とも訴えています。
それでも、医療機関・育毛剤の広告・発毛剤の臨床試験・育毛サロン・口コミ等々、世間に出回る情報は、発毛させて抜け毛が減れば薄毛が治る物かのように訴えかけるものばかりと言っても過言ではありません。
もしかすると、薄毛で悩んでいる人が望む効果が、発毛とか抜け毛減少だから、そんな情報が多いのかもしれません。
■育毛相談の事実と現実から
長い間育毛相談の現場で、ご相談者のお話をお聞きしケアの提供で事実や現実を見ていると、発毛させて・抜け毛を減らして失敗している人ばかりなんですね。例外はありません。
2年くらいは上手く髪の毛が増えていたのに、その頃を境に薄毛に戻ってしまい、結果的に毛を無くしてしまった方もいらっしゃいますし、部分的に発毛を促したのは良いが、発毛を促した部分の毛が無くなってしまった方もいらっしゃるのですね。
中には毛が抜けるのが嫌だからと、洗髪時にはシャンプーを頭皮に付けてお湯を流すだけにしていて、最終的に髪の毛が頭皮に乗っているだけになっていた方もいらしゃいました。生え際の毛を抜けないようにしていた方も、抜けないようにしていた生え際の毛が無くなってしまった方もいらっしゃいました。
1年程度の短期間ではなく、最低でも3年とか5年のサイクルで見て下さいね。
■使用前と使用後の写真を見れば
使用前と使用後の写真を見せて、薄かった部分の毛が濃くなっていたら、「発毛して増えたのです」なんて嘘っぽいことを掲載しているサイトやSNSやYOUTUBEでの写真もあります。
脱毛症じゃないのに、どうして発毛して薄い部分が改善したと言えるのか?全く理解できませんが、間違いなく言えることは、細かった毛が太くなったからか成長期が伸びたから濃くなっただけではないのか!って見える写真ばかりです。
これって、医療関係の写真でも同じことが言えます。
細くなってしまった毛が、10%太く戻ると30%詰まったように見えますから、スカスカしていた部位が濃くなったように見え、増えたように見えるのです。
また、成長期が本来の成長期に戻るだけでも、頭皮の表面に出ている毛が増えますから、本数が増えたように見えるのです。発毛して増えたと言える理由が分からないのですね。
以下に記述しているように、生え変わりは繋がっているので、成長期が「0」になった毛包=毛母細胞が存在している部位には、毛球が無くなるか活動しなくなりますから毛を作る組織自体動かなくなるので発毛もしなくなるのです。バジル組織からの指令も無くなるのではないか。
■症状を見れば発毛・抜け毛減少に辿り着く
いろんな小理屈を言ったところで、薄毛になった人の頭部を見れば、薄い部分にご自身本来の髪の毛が発毛してくれば毛が増えるじゃないか!って、誰が見ても判断します。
毛が抜けてか、もしくは抜け毛が増えて、薄毛になることが多いので、「抜け毛が無くなれば髪の毛が無くならないのに」とか、「抜け毛が減れば髪の毛が増えるのに」と思うのは普通の事でしょう。
でも、実際に薄毛が改善する時には、「発毛して増える」とか、「抜け毛が減って増える」ようになることはないのです。
■薄毛が治る人の経過を見ると
薄毛が治る時にどうなるのか?最初の2か月くらいは、抜け毛が増えることが多いです。ここで不安になる人が多いですが、同時に髪の毛に元気が出てくるのです。血が巡り始めて毛母細胞が動き始めるので、中身の薄い髪質から中身の濃い髪質に変わってくるのですね。血が巡り始めますから、駄目になっている髪の毛が排除され始めることでもあるのです(抜け毛の増加)。
次の2か月~4か月くらいで、駄目になった髪の毛が無くなり、中身の濃い詰まった毛質の髪の毛が4センチ以上伸びるようになり、生え変わって毛の中には少し太さが戻った髪の毛が出てきます。明らかに髪の毛が元気になり、本数が少ないのに毛が立ちあがるようになるので、見た目には増えたように見える人もいますが、透け具合が広がって見える人もいます。
次の4か月くらいで、生え変わってくる髪の毛は、本来の太さと髪質に戻ったものばかりになるので、毛と毛の隙間が詰まってくきて濃くなったように見える部位が出てきて、増えたように見えるようになります。
このように生え変わってくる髪の毛が1年2年3年と継続して出続けると、成長期が戻った毛に生え変わってくるので、本当に毛が増えるようになってくるのです。
ただし、成長期が「0」になった毛包には、良くて産毛程度しか生えてきません。その上、抜け毛が増える季節には、太さと長さが戻った毛が、薄毛の時よりたくさん抜けるのでボリウムダウンすることが往々にしてあります。でも毛の元気度が良い状態が1年2年3年と続くと、一時的にボリウムダウンすることがあっても、最終的に本数が増えるようになるのです。
■そりゃそうだ、発毛→成長期→脱毛

上図のように、人の体の成長期を終える思春期を過ぎる頃には、髪の毛は「発毛して→成長して→脱毛して→発毛して→成長して→脱毛して→発毛して→成長して→・・・・」と繰り返しているのです。これは全て繋がっていて、成長するかどうかが、次に生え変わってくる毛に影響を及ぼしているのです。
十分成長してから抜ける頃には、次に生える為の毛が毛穴に育ちますが、成長期が短くなってくると、次に生える毛が生まれるまでの期間がすごく長くなります。
成長しなくなると、抜け毛も無くなるので、次の毛が生まれなくなるのです。本来の成長期になってからの抜け毛の本数なら問題ありませんが、単に抜け毛が減るだけでは、次に生える毛も減るのです。