フィナステリドやデュタステリドは、飲んでいる時に感じる副作用がある人もいればない人もいます。これは必ず誰でも感じる副作用ではないのです。ところが、何らかの理由(副作用で体がしんどい・妊活の為・効果がない等)で長年飲んでいたフィナステリドやデュタステリドを止めると表面化する副作用があるのです。
それが何かと言うと、抜け毛が急激に急増(爆増)することが多く、中には髪の毛が無くなってしまう人もいるのです。こうなってしまうと何の為にリスクを冒してまで薬を飲んだのか?意味がなくなります。なぜ抜け毛が爆増するのか?を推測したく思います。
■フィナステリドとデュタステリドの作用機序
フィナステリドとデュタステリドの作用機序に関しては、このブログを読んで下さっている方々の方が詳しいかもしれません。ネットで検索をかけるとAGAクリニックの先生方が詳しく説明されています。
それでも知りたい方はいらっしゃるでしょうから、簡単に説明しておきます。
フィナステリドもデュタステリドも、5-アルファリアクターゼと言う還元酵素の阻害薬です。還元酵素には1型と2型があり、フィナステリドは2型に作用しデュタステリドは1型に作用して阻害します。
男性ホルモンであるテストステロンは、5-アルファリアクターゼの作用により、ジヒドロテストステロン(DHT)に還元されます。ジヒドロテストステロンは、体の角化細胞の成長を促進する(細胞分裂を活発にする)のですが、頭部に関しては角化細胞の成長を抑制する方に真逆に働くのです。
1型は頭部では側頭部と後頭部に多く、2型は生え際やつむじに多いようです。2型の作用を阻害出来れば男性の生え際やつむじハゲを防げる可能性が高いと言えます。
5-アルファリアクターゼ1型は全身の毛乳頭細胞や皮脂腺を中心に前立腺等全身に存在していて、2型は生え際・つむじ・ヒゲ・脇・陰毛に存在していますが、精嚢や前立腺にも存在しています。
■抜け毛が減る理由は何のか?
フィナステリドやデュタステリドを飲むと、抜け毛が減ることがほとんどのようです。
私は薬の飲用をしたことがありませんし、育毛相談WEBとサイトにご相談下さる方はフィナステリドを止めたい方ばかりなので、飲み始めて抜け毛がどのように変化しているのか?が全く分かりません。
抜け毛が減るらしいことは知っていますが、減った抜け毛が減り続けてほとんど抜け毛のない状態が続くのか、それともある程度減ったところで、ちゃんと抜けて新しく次の毛が生まれてくるようになり、総本数を維持できるような抜け毛になるのか?までは分かりません。
予測するしかないのですが、ご相談下さる方々の抜け毛を聞いていると、かなり抜け毛が減るがゼロになることはないようです。ただし、ちゃんと総本数を維持するように抜けて・発毛して・成長して・抜けて・発毛してと言う生え変わりが行われるようになっている訳ではないようです。
■抜け毛が減ったら次の毛はどうなるのか?
「フィナステリドやデュタステリドを飲み始めて、成長を抑制する因子が無くなったので抜け毛が減りました。その後減った抜け毛はどなったのか?」が全く分からないのです。
ここからは、このブログの製作者である育毛の道案内人の仮説です。仮説なので「こうなのだ」と言う話ではないことはちゃんとご理解下さいね。3つ仮説を挙げておきます。
■抜け毛爆増の幾つか考えられる仮説
髪の毛の総本数を維持するようになるには、生え変わりのサイクルが繋がることが絶対に必要です。
フィナステリドやデュタステリドを飲むことで、その人の毛の総本数を維持できるように抜け毛があるのでしょうか?例えば、総本数10万本で成長期が4年くらいの人なら、毎日の平均の抜け毛は70本くらいはあります。季節的に抜け毛が増える時は100本を超え、減る時は50本未満になります。
これだけの毛が抜けてちゃんと成長する=4年伸びるようになっているのでしょうか?
例えば、風邪を引けば熱が出たり、咳が出たり、鼻水が出たりします。薬を飲めば熱を下げられますし、咳や鼻水も止めることができます。でも風邪が治るのは自分の免疫が風邪をウイルスを退治することで、熱が正常な状態を維持できるようになります。
ガン治療でも同じです。抗がん剤でがん組織を攻撃して縮小させることは可能です。例え抗がん剤でがん組織が消えてしまっても、再発するかどうかはご自身の体の免疫力にかかっているわけです。
フィナステリドやデュタステリドを飲むことで、角化細胞を抑制する力が消えて毛が成長するようになり、抜け毛が減ったとしましょう。ここまでは風邪やガンと同じで、薬の作用で何とか出来ることなのだと思います。問題はここからです。
1.薬の力添えで毛が成長するようになり、毛が抜けなくなった。では、抜けなくなった毛は薬を飲み続けている限り抜けないのでしょうか?そうだとすると、新しい毛に生まれ変わらなくなると言うこですね。
2.薬の力添えで毛が成長するようになり、抜け毛が減りました。抜け毛が減ったと言うことは、次に生え変わってくる毛も減るって言うことか?それとも、生えている毛が成長し続けるってことか?新しく生まれ変わらなくなるのは「1」と同じですね。
3.薬の作用でジヒドロテストステロンが生成されなくなり、毛の成長を抑制する作用がなくなったので、ちゃんと成長できるようになり、成長期を全うしたらちゃんと抜けて、次の毛に生え変わるようになった。生え変わるサイクルが繋がるようになりました。でも、ジヒドロテストステロンが生成されなくなったことで、やる気がなくなり、元気がなくなり、塞ぎ込むようになってしまい、うつ病のようになってしまった。
フィナスステリドとデュタステリドを飲むことで、起こりうることを3つのパターンで仮説してみました。
この3つのパターンの場合、フィナスステリドとデュタステリドを中止すると抜け毛が爆増する理由が分かります。
「1」と「2」の場合は、いずれも抜けずに成長し続けることになっているので次に生え変わる毛が生まれない可能性が高いです。
フィナステリドやデュタステリドの飲用を止めたら、生え変わってくるのでしょうか?例え生まれ変わってきてもいつになるのか予測が付きません。たぶん、早くて半年後になるので、それまでは抜けるだけ抜け続けると言えます。下手をすると全ての毛が無くなってから生え変わってくるかもしれませんし、毛が無くなって終了なのかもしれません。
「3」の場合、再度ジヒドロテストステロンが生成されるようになりますが、フィナスステリドとデュタステリドを飲み始める前よりも、角化細胞の成長を抑制する力が2倍にも3倍にも強くなっているのではないか?と感じるのです。抜け毛が爆増するのですから。
フィナスステリドとデュタステリドは、飲んでいる時の副作用が色々とありますが、飲むのを中止したら中止したで抜け毛が爆増して毛が無くなってしまう可能性の高い副作用があるのですね。
なぜそうなるのか?推測してみました。