「イツカ、向コウデ」
人生は長いと ずっと思っていた。
間違っていた。驚くほど短かった。
君はそのことに気付いていたか?
なせばなるとずっと思っていた。
間違っていた。成し遂げたものなんかない。
きみはそのことに気付いていたか?
わかってくれるはずと、思っていた。
間違っていた。誰も何もわかってくれない。
きみはそのことに気付いていたか?
ほんとうは新しい定義が必要だったのだ。
生きること、楽しむこと、そして歳をとることの。
きみはそのことに気付いていたか?
まっすぐに生きるべきだと思っていた。
間違っていた。人は曲がった木のように生きる。
きみはそのことに気付いていたか?
サヨウナラ、友よ、イツカ向コウデ会おう。
長田弘 詩集「死者の贈り物」より
今年も我が家のスノーホワイトの花が咲いた。
季節だけは確実に廻りくる。
最近は木の方が遙かに人間より頭がいいように思えてならない。
第一、彼らの方が人間より遙かに長生きするんだからね。
それにしても、長田弘の詩はいいね。
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