風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

ほおずき色の季節

2010年07月28日 06時23分10秒 | 風竿日記

お盆が近づくと、ほおずきは

いたたまれなくなって

体を赤く染める

黄泉の国へ旅立った

とても愛しく、会いたい人が帰ってくるのが

そんなにも 嬉しいのだろう

         

そういえば幼い頃

母のことを想いながら

ほおずきの実を 用心深く空洞にして

風船をこさえたものだ

かって 不器用な私に 母が教えてくれた

孤独な作業

手のひらの上で ふっと吹いて

小さく飛ばした

   

お盆の仏壇の前に飾られたほおずきは

赤い実の味と共に

母のいない子供の

苦い記憶の小箱の中に

そっとしまっておいたもの

灯りの灯った提灯みたいに

帰ってくる魂を

待ち遠しく 軒先で迎えるのか

ほおずきの赤い色は

そんな不思議な色である

 

体が小さかった分、

テレビの怪談がとても怖かった夏の夜

トイレにも行けないほどだったのに

一大決心をして

たとえ 幽霊でもいいから

母に会いたいと思ったものだった

    

ほおずきの赤い色は

そんな幼い頃の 

ささやかなお盆の 薄れ往く記憶

そして微かな母の色なんである


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
桑田ケイスケ氏も (康洋さま)
2010-07-29 12:06:29
初期の食道ガンだと日本中が大騒ぎです。
だから男性の二人に一人がガンにかかるのに、
けして珍しいことではない
最もポピュラーな病なんだというTVのコメントが欲しかったなぁ。
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お久しぶりですね。 (アユミトノボルさま)
2010-07-29 12:02:09
暑い毎日・・・・
昭和の涼しい時代は遠くなりにけりです。

それだけ怖かったんですが、
幽霊でもいいから母に会いたいと思った幼いころの記憶でした。
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帰り支度 (前川先生)
2010-07-29 11:59:44
母がしているのでしょうね。
嬉しい限りです。
心鎮かに、母の魂の帰りを待ちたいと思います。
コメント心に染みました。
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幻視。 (康洋)
2010-07-28 23:35:19
こんばんわ。お久しぶりです。

 細木和子氏曰く、六星占術で言う私の「健弱」年の「健弱」月の「健弱」日にあたる7年前の7月10日(木)に、「膵臓に浸潤した悪性で進行性の末期ガン」って告知され、異常に興奮した意識と異常にクリアに成った意識とが複雑に交叉し、脳裏に幾種類もの回り灯篭と蓮の花がオーバーラップしながらグルグルと回ってましたよ。でも、何故かホウズキは出て来なかったナ~。
 他にも裏話が沢山ありますが、また長く成りますから何れ・・・(笑)。
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Unknown (アユミトノボル)
2010-07-28 22:39:14
こんばんは。
確かに子どものころの夏の夜のトイレ、とっても怖かったことを懐かしく想い出しました。
決して、トイレが家の奥の方にあったからではない、なにかがあったのでしょう・・・。
トイレが怖くなくなってしまった自分にさみしさを覚える夏の夜です。
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お盆ですね (mae)
2010-07-28 20:56:27
迷信と想いつつも迎え火を焚くのは、亡くなった人が帰ってくると心の片隅で信じているからでしょうか。
今年も、お盆の季節。。。。。。。
風竿さ~ん、お母さまが帰り支度をされていますよ。
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