風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

樋渡市長吼える

2012年11月10日 23時59分59秒 | 風竿日記

「宇宙を震撼させる」あの樋渡啓祐武雄市長が、わが信用金庫業界の経営者セミナーでご講演を・・・・・。

たった5万1千人ほどの地方の小さな田舎町の市長さんが、

全国から集まった80兆円の預金量を抱える信用金庫の経営者200人を前に講演なさるなんて、

あーた、それだけでも前代未聞の出来事なんであります。

しかも、その講演はこれまた前代未聞の超凡破格にして稀有なる、大バカ受けの大講義であった。

市長になってから次々と難問奇問が彼を襲う。

36歳にして当選した若き市長を襲う古い体制との軋轢・・・実はそのうちにいくらかは、彼が体制の打破を目指して自ら仕掛けたものであったのかも知れないのだが、それらの事柄をユーモアを交えながら語り上げる。

前置きもなく突然あった出来事から喋り出すので、彼のことを良く知らない聴衆は目を白黒させているのが私には可笑しくてならない。でも皆さんそのうちに慣れてこられる。

スピードは付加価値だと断言する樋渡市長のペースに乗せられていくのだ。

「前進か停滞か」で彼が投げかけた市民に対する公案は、二期目・・実質三期目を経て、その全貌がはっきりと見えて来た処である。

そして講演は次第にヴォルテージを上げていく。歯に衣を着せぬという彼らしい話の切り口も、ここまでくるとまさに痛快なんである。

セミナー開場は90分間、爆笑の連続の中に、次第に彼の放つ猛毒に免疫がつく頃には、周りのコモンセンスの中で仕事をしてきたお堅い役員のみなさんも、すっかり市長の魅力に取り憑かれていたのでありました。

さすが全国区の市長、そしてわが武雄の首長なんであります。

100%本音のトーク、これまでの波乱の市政を飾らず、ありのままそのままを話す。

友達いない、協調性なし・・・・これをチャームポイントにするんだから強かな一面もあり、いやぁたいしたもんであります。

マザーテレサの言葉を引用して、無関心が最大の罪悪であると・・・。

なるほど・・・・・。

つまりは劇場型に導くことで市民の関心を引き付けるつもりが、いつしか全国区の人になっていたという、まさに旬の男。

壇上を降りて、一番後ろの席まで迫ってくる講演者は初めて・・・・。

ユニークな市政運営の話は実は経営に最も役に立つところでもある。

なぜなら彼は武雄市を経営しているんである。

独裁者と言われつつも、つい本音の話があふれ出す。よく誤解される鹿児島県の某市長とは本質がまったく違う独裁のニュアンスが彼の人間的な深みでもある。

つまりは、彼独自の組織論に話が及ぶ。

組織論の第一人者である野中郁次郎先生も唸ること請け合い。

市長の上に副市長がいて、彼は事務方の頂点は副市長に任せているのだという本音。

しかし、事務方に齟齬が生じた場合、彼はすべての責任を取る覚悟があってのことも私はよく知っている。

彼は机にしがみついて仕事をしているフリをするタイプの、いわゆる実務肌の首長とはちょっと違う。

歩きながらというよりかは全力で走りながらモノを考える市長なのだ。

なぜなら改革者としての前人未踏の領域を目指しているからに、他ならないのだと思う。立ち止まって考えるには地方自治体の現状はあまりにも差し迫っている問題が多すぎる。

だから彼は走っているのであろう。

最近マラソンに目覚めたのも、むべなるかなである。

「畢竟如何」、究極人はどう生きるのか・・・・を追求している市長なのだ。

果たして、講演の反響は素晴らしいものであった。

それは懇親会の席で、樋渡市長の名刺を貰おうと聴講者が次から次に殺到したことがすべてを如実に物語っている。

彼が冗談交じりに発言したわが九州ひぜん信用金庫の存在感も、お陰で全国区に発信されることになった。

一時期、田舎の地方都市は調整型の首長が合っているから、出来るだけ反対派をも包み込んで懐柔なさるべしと彼に諫言したこともあったが、それは完全に撤回したい。

彼は、私なんぞのスケールでは測れない全国区のお方であった。

何しろ、宇宙を震撼させるのですからね。

啓祐ちゃん、参った・・・・・。

でもね、過激発言の裏側にあるシャイでヒューマンな貴方をちゃんと知っているからね・・・・。