どんなに暗い闇の中でも、
やがて朝がくれば太陽が輝いて、
すべては動き始めるものだ。
明けない夜はない。
やまない雨はない。
曇る日もあれば照る日も必ずある。
神様は人が背負いきれない荷物は持たせないもの。
あなたならきっとやれる筈だ。少なくとも私はそう信じている。
そう云って、商売がうまくいかないお取引先を励まし続けてきた。
『あん時のあんたの励まし、心に響いたバイ。』
『よーしもう一回頑張ってみるか・・・・。心底そう思ったとバイ。』
『その気にさせてくれたから、今があるとバイ。』
20年来のお付き合いのあるお客様と、久しぶりに街でばったり出会った。
そんなYさんも後継者が居なくて、商売は半ば廃業状態、今や年金暮らしなんだそうだ。
世の中の変化が激し過ぎて、もはや一年一昔という時代。
どこを見ても景気のいい話は聞かれないご時世。
20年前、「にっちもさっちも」いかなくなったYさんと夜を徹して再生計画を話し合ったことが思い出された。
資金をご融資するのが仕事の私、でもけして恰好つけていう訳ではないが、
いい時ばかりではないのがこの世の常なのである。
絶好調より不調の方が圧倒的に多いものだ。
『明日の手形が落とせんとバイ・・・・・。どうすりゃヨカろうか・・・・。』
そんな修羅場に何度も立ち会ってきた。
融資も一杯一杯の先には、一緒になって悩んで、励ます位しか出来ないものだ。
そんな貴重な経験をさせて頂いてきて、生意気な腕白坊主も、少しは世間様の厳しさ、
辛さ、人間の哀しさと優しさというものが判ってきたのだろうか。
思えば、仕事柄延べ3万人くらいのお方と会ってきたであろうか。
泣き笑いしつつ、色んな人間模様を間近で見させて頂いた。
成功も多くの失敗も見てきた。
すべてお客様から教えられた。
我以外皆師也
そして実はこれが私のかけがえの無い宝物なんである。
雨ふらば雨は嫌だと 晴れたらば眩しすぎると云う神の声
好きな人難しいことを云う人嫌いな人難しいことを云う人
朝露の一滴の中 真実は結晶のように回る小宇宙