21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

円売り為替介入について・・・

2010年10月07日 21時50分11秒 | Weblog
$1が83円から85円の水準で、2兆円規模の為替介入が実施されたのは9月15日です。

平均すると84円でドル買いを行ったと考えてよいのでしょうか?

今(10月7日21時半)は、82.30円前後を推移しているので、84円から比べると、約2%円高が進んでいる計算になります。

約2兆円の介入資金に対して、約2円の為替差損なので、約400億円の損失です。

為替介入の実施権限を持っているのは、財務大臣です。

と言うわけで、
野田佳彦財務大臣は約3週間の間に、400億円の損失を出したことになります。
就任してから、まだ4カ月もたっていないのに・・・

ただでさえ、内閣全体・政府全体で財政悪化を止めようとしているのに、財務大臣1人で400億円も損失を出されると、ちょっと・・・・・


と以上のように、考えるのは間違っています。


一般市民の感覚からすると、日本円も米$も、一生懸命働かないと手に入らない貴重な「お金」ですが、
日本銀行にとってみれば、米$は努力しないと手に入らない通貨ですが、日本円は印刷機のスイッチを押すだけで無限に手に入ります。

つまり、日本銀行にとっては、介入に使用した2兆円の現金は「紙切れ」ですが、2兆円を使って買い入れた約240億ドルは「資金」です。

日本政府にとっても同じことで、日本円を印刷しただけで、240億ドルを手に入れた計算になります。
ここに「400億円の損失」などと言う数字は存在しません。



日本には資源がありません。鉄鉱石も石炭も石油も、小麦も大豆もトウモロコシも、衣料も、最近は家電製品に自動車まで輸入しています。
その「輸入」に必要なのが外貨です。戦後は十分な金額の外貨がありませんでした。そのため、日本人は必死で働いて輸出できる商品を作り、商品を売って外貨を手に入れ、その外貨を使って必要な食糧・生活必需品を輸入していました。

21世紀になって、円高が定着し、「日本円」を売るだけで外貨が手に入る時代になりました。
「円高」であるからこそ、割安に購入できる資源・資産があります。

野田財務大臣には、怖がらずに、100兆円でも200兆円でも使って、外貨準備を積み上げて欲しいですね。




円高の影響で、輸出企業が利益を出しにくくなっているのは分かります。しかし、円高だからこそ、原料を割安に輸入できます。そして、円高だからこそ海外の営業拠点の拡充に必要な投資を「割安」に行えます。
円高で困るのは、経営努力が足りないからでしょ?

ゼロ金利政策について、

2010年10月05日 21時57分56秒 | Weblog
「ゼロ金利政策が景気回復の役に立つ」と信じている人が多いようですが、何故なんでしょう?

過去に7年以上「ゼロ金利政策」を維持して景気浮揚効果が無いことは、「実証」されていると、私は思います。

それにもかかわらず、「理論」的にゼロ金利政策に効果があると考えている人が、何故いるのか? 不思議です。



金利を引き下げることで資金の供給量が増える。と言い始めたのは誰ですか? 論理的根拠はどこに?

ほんの数十年前まで、5%でも低金利と言われていました。
それが、

不景気になるたびに金利を引き下げ、
景気が回復しても金利を引き上げるタイミングは見つからず、
そのうちに、また不景気になり金利を引き下げ、
また金利を引き上げるタイミングを見逃し、
そうしているうちに、不景気になり・・・
・・・・。
としている間に「ゼロ金利」って世の中になりました。


現実に、今起きていることをもとに、結論を書いてしまうと、

金利の引き下げには、景気対策効果はない。
ゼロ金利政策に景気対策効果はない。
と言うことになります。



「低金利=景気対策」と考えている人たちは、市場主義なのか、ケインズ主義なのか、新自由主義なのか、はたまたマルクス主義なのか、私には分かりません。不思議な宗教もあります。



アメリカの住宅バブルはFRBが政策金利を引上げたために発生しました。私はそう信じています。
「バブルが起きる→政策金利の引き上げ」ではなく、「政策金利の引き上げ→バブルの発生」です。

同じく、オーストラリア、中国、ブラジル、インド、インドネシア、ベトナム・・・と景気の良い国は高めの政策金利を維持しています。
つまり「好景気→高金利」ではなく、「高金利→好景気」です。


景気を回復させるためには、「金利の引上げ」が必要です。
「資金の流動性」が問題になるのであれば、「高金利」で資金を供給すれば十分です。
低金利で資金を供給しても景気対策にならないのは、過去のゼロ金利政策で実証されています。
高金利で資金を供給すれば良いのです。


2005年・2006年に日本経済が回復したのは、日本銀行がゼロ金利政策を採用していたから、ではありません。2005年・2006年と米FRBが政策金利を引上げて、アメリカ経済が好調に成長した好影響を受けただけです。

ゼロ金利政策には意味はありません。