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高速鉄道パッケージ

2016年02月02日 11時18分30秒 | Weblog
「鉄道計画」は、「都市計画」だ。
アメリカでの大陸横断鉄道から、
日本での新幹線計画まで
鉄道計画は、都市計画である。


高速鉄道パッケージも都市開発計画だ。
都市開発が成功すれば、高速鉄道も利用者が増え、利益が出る。
都市開発に失敗すれば、高速鉄道の利用者は増えず、損失が出る。


インドネシアでの高速鉄道建設の受注に、日本勢は失敗したらしい。
日本のマスコミ報道では、「債務の政府保証を求めた」ことが敗因らしい。 しかし、これは正しいようで、正しくない。

繰り返すが、鉄道計画は都市開発計画である。

日本は、高速鉄道計画にインドネシア政府の保証を求めた。
中国は、高速鉄道計画にインドネシア政府の保証を求めなかった。

この違いを具体的に説明すると、

日本は、都市開発計画に自信がなく、建設する高速鉄道から利益を出せる自信がないために、政府保証を求めた。
中国は、都市開発計画に自信があり、建設する高速鉄道から利益を出せる自信があるために、政府保証を求めなかった。

となる。


インドネシア政府側の立場に立つと、

日本の計画で進めると、都市開発に失敗する可能性がある。(少なくとも計画者の日本側には自信がない)
中国の計画で進めると、都市開発に成功する。(政府保証を求めない以上、絶対に都市開発を成功させるはずだ。 都市住民の生活は豊かになる。 国の経済は成長し、税収も増える。)

となる。


インドネシア政府側が、どちらの計画を採用したくなるかは、明確だ。


「ジャカルタ高速鉄道建設計画」は、鉄の線路を引いて、鉄の箱を走らせる計画ではない。
ジャカルタ周辺の経済圏を建設する計画である。 その経済圏建設成功にコミットメントできていなかった日本計画には、そもそもやる気が感じられない。


都市開発を成功させ、経済圏を育成し、経済成長を後押しする。 そうすれば、インドネシア政府も潤うが、高速鉄道網を運営する日本企業、駅ビル・物流を担当する日本企業も潤うはずだ。
 「政府保証を求める」のではなく、「建設許可を買い取るために、金を払う」ぐらいの根性があっても良かった。



例えば、
 東南アジアでの携帯電話通信網の整備では、整備を依頼する政府は資金を出さない。整備許可を販売して資金を受け取る側だ。

 成功する高速鉄道パッケージであれば、整備企業側が資金を出して建設許可を買い取っても良いはずだ。
 これは高速道路・空港開発のパッケージでも当てはまる論理である。

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