21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

軽井沢スキーバス事故 と就職活動

2016年02月05日 10時38分11秒 | Weblog
 スキーバス事故で多くの学生が犠牲になった。 命を失った人達は、本当にかわいそうだと思う。ご冥福をお祈りします。

 一方で、生き残った学生、友人をバス事故で失った学生にも、これから大変な人生が待っている。
 事故で身体的な障害を負った場合は、もちろん大変な苦労が伴うと思う。

 心に精神的なダメージを受けているだけの場合も大変だ。 特に学生の場合、就職活動が控えているが、日本社会は異端者に冷淡だ。「友達を事故で失う」的な特殊な経験を持った学生は社会に受け入れない。 その上に、日本の社会制度では新卒で就職できないとその後に正社員になることはほぼ不可能だ。 求人数は増えているが、正社員の求人数は増えていない。 増加している正社員の求人は、人の入れ替わりが激しいブラック企業ぐらいだ。
 数年後に精神的なダメージを乗り越えたとして、日本社会は復帰を受け入れてくれるほど甘くない。

 日本の入社試験では、「能力がある」ことは採用理由にならない。多くの場合「欠点がないこと」が採用理由になる。 精神にダメージを抱えた状態では難しい。
 精神にダメージを抱えた状態で、日本の新卒向け入社試験を切り抜けるのは、ほぼ不可能だ。 よっぽど有力な親のコネがあるか、理系で明確な研究成果を出していない限り、就職は不可能だろう。 そして、非正規の職を転々とする人生が始まる。

 日本で新卒の社員に求められるのは「新鮮さ」や「活気」が多い。 採用試験を演技で乗り切ればよいだけだが、事故で友人を失った直後の学生に演技を強いる日本社会は、

やはり歪んでいる、と私は思う。

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