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為替の実質レートと名目レート

2010年08月24日 21時01分02秒 | Weblog
8月24日に書いたもう一つの日記の追加です。

夕方の野田財務省の発言を受けて、日本政府・日本銀行が為替介入することはない、と市場は反応したようです。
1995年6月30日以来、15年ぶりのレベルまで円高が進んでいます。

この「15年ぶりの円高」って言うのは名目レートでの話です。
実質レートでは「過去最高値」の8割程度の水準です。


民主党政権は、代表選挙の準備で忙しいのか、円高への危機感が薄いのか、実質レートで為替を見ているからなのか、為替市場介入に興味を持っていないようです。


もとの日記に「実質レートは、机上の空論に過ぎない」と書きました。

1971年にニクソン・ショックがあり、米$・日本円が変動相場制に移行しました。

日本銀行のウェブ・ページに載っている記録ですが、
(http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exrate.htm)

1973年のレベルを100とすると、

現在の為替レートの名目水準は約400です。
$1が360円の時代から400%以上円高が進んでおり、現在は$1=90円以下のレベルです。

日本のインフレ率、貿易相手のインフレ率を考慮した実質水準は、約130です。
$1が360円の時代から、130%円高が進んだとしたら、$1=276円と言う答えが出ます。

名目値での為替レートは約90円なので、理論値と現実の値の間には300%以上のずれがあります。

たった37年間で、名目値と理論値に300%もズレがあるのは、おかしいと思う。(直感)


もし、政策責任者が「実質レートの計算式は正しい」と信じるのだとしても、円売りの市場介入を実施して30%分の円高を是正する必要があるのではないか。

そして、名目レートのみで、円高・円安を判断するのであれば、15年ぶりの円高を放置するのは問題なのではないかと思う。

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