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市場不介入の真意w

2010年08月26日 00時39分27秒 | Weblog
民主党の取る政策を詳しく見ていくと、15年ぶりの円高水準で輸出企業が採算性の維持に必死の時に、民主党政権が為替市場介入に積極的ではない根拠が見てくる。

民主党マニフェストの次の3点に注目する。
①円高の容認、円売りの市場介入を事実上否定している。
②パート・アルバイトの最低賃金の引上げようとしている。
③ASEAN諸国とのFTA締結交渉が全く進んでいない。


この3つの政策から、民主党政権が発しているメッセージは明確だ。

つまり、
「日本に利益率の低い製造業は必要ない」
と民主党は思っているわけである。

③から考える。
民主党政権はFTA交渉に乗り気ではない。ASEAN諸国とFTAが締結できれば、東南アジアを「内需」として取り込むことが出来る。しかし、ASEAN諸国とのFTA締結はいつになるか分からない。つまり、「国内で製造して海外に輸出する」のではなく、「海外で製造して海外で販売する」企業の数を増やしたいと思っているのである。

②はもっと分かりやすい。
日本の中小企業の中でも、技術的優位性が低い企業は中国・台湾・韓国企業との価格競争に巻き込まれている。そして、多くの従業員に最低賃金レベルで働いてもらっている。ここで最低賃金を上げることで、かろうじて国内に製造拠点を維持している企業にも、海外へ出ていくようプレッシャーをかけることが出来る。


そこで③が出てくる。
15年ぶりの円高水準にもかかわらず、民主党政権の中心からは「事態を慎重に見守る」と受動的な発言しか出てこない。つまり、円高を維持したいのである。企業が「海外に工場を作ろう」と思った時、円高であれば初期投資の費用を抑えることが出来る。
例えば米$1=100円であれば、1haの海外工業用地を1000万円で買えるとする。ここで、
米$1=80円にまで円高が進めば、同じ1haの海外工業用地を800万円で買える計算になる。

つまり、民主党政権は円高を維持することで、日本企業が海外で工場開発をしたり(海外に投資したり)することを支援しているのである。

民主党政権は、「日本に製造業は必要ない」と考えている。


日本経団連のメンバー企業は、日本政府に「為替介入を依頼する」と言った無駄なことをするのではなく、
現在の円高水準を120%生かして、海外への投資・海外での工場開発・海外での販売網の整備に力を入れるべきなのである。

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