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サントリーホールのバックステージ・ツアー

2022-10-08 10:22:56 | 音楽
10月7日(金)の昼に、サントリーホールのバックステージ・ツアーに参加した。11時から1時間ほどホールの表裏を詳しく解説して見せてくれる。参加者は25名ぐらいで、8人程度の3グループに分かれて見学するので、よく見ることが出来て大変面白いツアーだった。

最初にホワイエ(ロビー)の手すりやステンドグラスの意匠などについて作者やテーマを説明してくれた。お酒の会社らしく、お酒の原料に関係した意匠が多かった。これまで知らなかったことが結構あり、新発見がいろいろとあった。ホワイエでの酒類の提供は、今や各地のホールで行われているが、説明ではサントリーホールが最初だということだった。

小ホールのブルーローズの命名の由来や、大ホールの椅子の説明、ブドウ畑方式の座席配置などの説明があり、オルガンの設置も含めて指揮者カラヤンの助言を得て行ったとのことで、それにちなんでホール前は「カラヤン広場」と命名されたらしい。ちなみに「カラヤン広場」は世界に3か所あるとのこと。ウィーンのシュタットオペラ前は「オーパンリンク」だと思っていたら、そこも「カラヤン広場」と呼ばれているらしい。

そのあと楽屋等の案内で、地下のピアノ保管室も見せてくれた。ピアノ保管室は一定の温湿度が保たれるようになっており、6台程度のピアノが保管されていたが、それ以外にもピアノがあり、全部で1ダース程度とのこと。ピアノの保管室は、地下の楽器搬入口のすぐそばだが、そこからステージに上げるのはエレベータではなく、舞台のセリを使うらしい。セリは指揮者の立ち位置あたり。

1階のP席の下も出演者の控え場所があり、舞台下手側には指揮者の使う反響のないA楽屋と、ソリストが使う反響があるB楽屋があり、Bにはアップライトのスタインウェイが置いてあった。指揮者の部屋からステージまでの距離は、階段もなくできるだけ短くしろと言うカラヤンの助言に従って作られたので、カラヤンは部屋の出口からステージ入り口までを11歩で歩いたという。この話を聞いて、1980年の大阪万博に出演した歌手マルネーレ・ディートリッヒが、ステージまで階段なしで行ける楽屋を要求して、臨時の楽屋を作った話を思い出した。

1時間ほどのツアーの後は、昼に開催される30分程度のオルガンコンサートを聞いた。オルガンの演奏に加えてソプラノの歌も入り、退屈しないプログラムになっている。最後はギルマンのオルガン・ソナタ1番の第3楽章で、オルガンをフルに使った大迫力の演奏で、これもなかなか面白かった。

1時近くに終わったので、ホールのそばの行きつけのビストロで食事。タブレ(クスクスのサラダ)、漁師風の魚の煮込み、チョコレートムースを食べた。店主に聴くと、コロナ以降、昼も夜も客が半減してしまい、結構大変だと言っていた。

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