究極の天下り・・・?

2009-09-08 23:59:22 | 独り言&拾いもの


 前からこの人の「坊っちゃん」顔が嫌いだったけれど、最近の動向(衆議院選挙の速報番組ではコメンテーターとして出演、いけしゃあしゃあと発言してました)を見ていると、胸倉をつかんでどつき回したい衝動にかられてしまいます。その人とは、マック竹中(マクドナルドの未公開株で濡れ手に粟、このあだ名がついた)こと竹中平蔵クン。今朝の東京新聞のコラムで「究極の天下り」として取り上げられていたので、早速記事を読んでいくと・・・。

 この「とっちゃん坊や」のことを知らない人はあまりいないと思いますが、改めて紹介させてもらうと、竹中平蔵クンは、現在の「格差社会」を生んだ元凶とされている改正労働者派遣法の法改正に深く関わり、小泉(規制緩和)改革の旗振り役を務めました。
 その結果どうなったかというと、2000年に33万人だった派遣社員は去年までに140万人に膨れ上がり、働く人の3人に1人が非正規労働者という事態になってしまいました。「百年に一度の経済危機」と、無責任発言を平気で口にする人はもう忘れていると思いますが、アメリカ発金融危機が起きる前日まで「イザナギ景気を超えた」と言われた好景気に胡坐をかいていたわけで、「その間に挙げた利益はどこへ消えたの? 非正規社員の首を切る前に利益を吐き出せよ!」と言いたくなりますが、その利益の一部が非正規社員を増やしたことによる人件費の削減の結果だったのだから、なおのこと彼らに利益を返還すべきでしょう。
 小泉&竹中規制緩和により、年収200万円以下のワーキングプアが1000万人を超え、昨年10月以来の「経済危機」に伴い解雇された派遣労働者は23万人に達しました。私の場合、その一年前に「経済危機」が訪れ、年収が半分になるなら違う仕事ができる筈だとようやく腰を上げ、今の職場に転職することができたので、ある意味「経済危機」様々なのですが、「多様な働き方の実現」と言われた労働者派遣法の改正が、労働者を(景気が良いときは雇い悪くなれば解雇できる)「雇用の調整弁」にすることだったと言われても、反論の余地はないでしょう。それでも、この人は「改革が進まないから格差が生まれる」と詭弁をふるっていますが・・・。

 その竹中クンが、このたび派遣業界最大手のパソナグループの会長に就任しました。そのこと自体は別に非難されることではありませんが、評論家の佐高信さんの発言に「ふむふむ」と頷きました。
「(竹中氏の就任は)郵政民営化に影響力を行使した後、かんぽの宿の一括譲渡を実現させようとしたオリックスの宮内義彦会長と同じ。自分が関わったところで自分が利益を得るという構図は、まるで政商ならぬ学商だ」
 同社の広報室は、「竹中氏の豊富な見識を会社の今後の成長戦略に生かし、人材育成にも貢献してもらえる」としていますが、新聞が「これぞ究極の天下り」と書いていたように、政財(企)癒着の最たるものだと思います(竹中クンは乞われて民間から政界へ転じた人だけど)。
 政権交代を果たした民主党は、官僚主導の政治の打破を訴えていますが、私はこちらの方もかなり問題だと思います。一企業や業界団体の利益のためでなく、言葉どおり国民の利益のために動いてくださいね。


『女の子ものがたり』 ~切なさと愛おしさ

2009-09-07 13:24:00 | 映画&ドラマ



 (すみません。至らない部分があったので、少し書き直しました・・)
 西岡理恵子さん原作の『女の子ものがたり』を映画化するにあたって、監督の森岡利行さんとプロデューサーの西口典子&菅野和佳奈さんは、「女の子版『スタンド・バイ・ミー』を目指そうとした」と、よく出来た可愛らしいパンフに寄せていました。
 「そっか、『スタンド・バイ・ミー』だったのか~」
 そう言われてみると、語り口と映画を見終わった後の余韻は同じだけれど、ひと夏の思い出を綴った『スタンド・バイ・ミー』に対して、『女の子ものがたり』には遥かに長く、しかも濃厚な年月が凝縮されています。それだけでも『女の子ものがたり』の完勝ですが、物語にはノスタルジアなどといった「感傷」だけで語ってはならない厳しさがあって、彼女たちの凛とした美しさと、打たれ強さに心を奪われました。第三者が三人の間に割って入ることは決してできないけれど、自分にも思い当たるふしが必ずある・・・そんな作品です。

 今年の夏は、『色即ぜねれいしょん』と『女の子ものがたり』は絶対はずせないな~と思っていたのですが、偶然シネマシティの同じ劇場で見て(どちらも混んでいて、『色即~』は満員だった)、二つの物語を並べてみると、やはり『女の子ものがたり』の完勝です(映画の出来ではなくて)。『色即~』のじゅんや自分が悶々としていた日々なんて軽い軽い、この映画に登場する女の子たちは現実をふまえて即物的に通過儀礼も済ませてしまいます。軟弱な男子に対して女の子たちは、何とたくましくて、何て精細な感性の持ち主なんでしょう!
 この違いは、性別の違いだけではなく、生まれと育ちの違いから来ていました。しょせん、わしらは「苦労知らずの中流のぼん」に過ぎなかったことを思い知らされました(それが「中途半端」というコンプレックスになっていたわけだけど)。

 昨今、ワーキングプアーが問題になっていますが、一億総中流と言われた我々の時代にも「貧乏」は存在し、(今考えると大変な資産家なのに)農家というだけで「臭い」とか「汚い」とか言われていじめられていた女の子がいたし、貧しくて進学ができない生徒や弁当を毎日持って来られない生徒もいました。この物語に登場する女の子たちも、貧しさや家庭環境によって最初から「負け組」のレッテルを貼られ、多少努力したところでそこから逃れることはできない・・・。
 でも、自分が大嫌いなこの言葉なんか、彼女たちは意にも介さないし、そんな言葉が機能しない世界に生きています。今、香山リカさんの『しがみつかない生き方』がベストセラーになっていますが、精神科医の彼女が長年訴えていた「勝ち組になることが幸せではない」ことを、この映画は力強く訴えています。それどころか、「幸せ」になることが人生の目標ではないし、「そもそも、幸せって何?」と、三人の女の子は問いかけてくるのです。生きるって一体どういうこと?
 その答えは一つではないし、もしかすると永遠に見つけられないかもしれません。でも、生きる目的がわからなくても、目標が見えなくても、人が生きていく上で一体何が大事なのか、「本当に大切なもの」を、この映画が教えてくれました。

 いきなり大上段から刀を振り下ろしてしまいましたが、『女の子ものがたり』はテーマだけでなく、ロケ―ションも(伊予のお椀を逆さまにしたような山!)美術も衣装も、そして出演者も最高に素晴らしく(過去のなっちゃん、きいちゃん、みさちゃんを演じた6人と、現在形の菜都美を演じた深津絵里さんに乾杯~! そうそう、福士君も出演しています)、切なくて暖かい珠玉の作品です。特に、色彩には相当なこだわりがあり、キーポイントにもなっていますので、これからご覧になる方は「色」に注意しながらご鑑賞くださいね~♪


小学校時代のこのシーンも忘れられない(自転車にもそれぞれの色があります)


高校時代に菜都美が描いた絵の前で演じられる動と静の「奇蹟」。切なさと愛おしさ・・・絶対観てね!

 『』公式HPは、 → ここをクリック


登山熱再び? ~高尾山に登ってきました!

2009-09-06 23:38:00 | 日常&時間の旅


高尾山は素敵だ!(ケーブルカー&リフトで登れます)


 仕事で高尾山に登ってきました。何とかガイドにも載っただけあって、外人さんの多いこと! カラッと秋晴れの土曜日だったことも手伝って、実に多くの人が繰り出していました。
(往きはよいよい帰りは怖い・・・やっとの思いで降りてきて休んでいると「下りのケーブルカーは3時間待ち」とのアナウンスが! 苦労した甲斐があった?)

 最後に高尾山に登ったのが高校一年の元旦。真っ暗闇の中だったので、初日の出はともかく、途中の道の記憶がありません。
 今回はケーブルカーを利用することも考えたけれど、山頂まで 3.8kmなら歩けるだろうと、右手の表参道になる1号路を登り始めると、勾配を体が覚えていたんですね~、小学校の遠足を思い出しました。
(そうそう、先頭切って登ったんだよ)
 急坂を長時間登るのは、このブログを始めた2006年の秋に奥多摩の「むかしみち」を歩いて以来のこと。汗が噴き出し、息が上がってしまいました。でも、地球の重力を感じながら、じわりじわりと高度を上げてゆくのは何とも気持ちがいいものです。空気もおいしく、日陰だと空気がひんやり涼しく、実に爽快です。(坂道は辛い筈なのに)同行者の会心の笑顔も忘れられません。
 山上駅までの坂道に比べれば、高尾山薬王院の階段なんて何のその。見事二人は標高599mの山頂に立ちました。来た道を引き返すと、急坂の下りがネックだと、駅で手にしたパンフを手に取り、距離と所要時間の短い6号路(沢沿いの道)を降りて行くことにしたのですが、これがとんでない大間違いで、丸太の急階段を降りたと思ったら、木の根っこや岩だらけの道とは呼べない急勾配が待ち構えていました。いつかはまともな道になる筈だと、祈るような気持ちで降りてゆくと、やがて沢にぶつかったのですが、沢沿いどころか源流がちょろちょろ流れる中を石伝いに降りてゆかねばなりません・・・一人なら楽しめたかもしれませんが、ここに来て絶句してしまいました。
 駅で手にしたパンフには特に注意書きがあるわけではなく(自分と同じように1号路より6号路の方が楽だと思ったのか、1号路では殆ど見かけなかったサンダル履きで登ってくる人もいました)、「ふざけんなよ」と毒づいたところで引き返すことは不可能です。しかも、まだ5分の1しか下っていないとは・・・。
 6号路は最後までこんな道で、少しでも足元が不安な箇所は手に手を取って一歩ずつ慎重に降りて行きましたが、90kgを超えているかもしれない同行者が足を滑らせたら支え切れるはずがなく、怪我どころが転落死していたかもしれません。
 ようやく安全な舗装路に出たとき、こちらは精魂尽き果てた感じでしたが、同行者が意外とケロッとしていて、疲れた様子も見せていなかったので、ほっとしました。歩き通してケーブルカー乗り場に戻ってきたときは、「良く頑張ったね」と固い握手を交わしました。

 久しぶりの登山は、一部冷や汗ものでしたが実に爽快で、自然の美しさも堪能できました。中学時代に、奥多摩&秩父の山に登りましたが、その頃の楽しさをまた思い出してしまいました。これ以上、やりたいことが増えても体は一つしかなく、時間には限りがあるしお金も手当てできません。でも、山登りって、やっぱりいいなあ~♪
 

 高尾山は山頂から見下ろす米粒みたいな下界の景色が良く、また、より高い山々をまるで望遠レンズで圧縮したみたいに手前に引きつけて見るのも素晴らしい。そして、薬王院がこれまた素晴らしかった。ここなど、紅葉の時期にもう一度眺めてみたい。


青梅猫町通り ~昭和幻燈館

2009-09-05 23:55:00 | 美術館&博物館など



 赤塚不二夫会館に入る前に、昭和幻燈館に顔を出したのですが、山本高樹さんの新作『青梅猫町通り』が展示されていました。やったね~♪


 それでは、猫町通りをご案内いたしましょう。「爪研ぎサロン」「山猫写真館」「Cafe またたび」「BAR みけ」「お食事 玉」「スナック しっぽ」といったお店の看板が灯り・・・当然ながら、猫町にも永井荷風先生がおられます(猫だけど)。私も、くるみさん用に「じゃれ紐」を買いに行こう~と!


左手の「Cafe マタタビ」では、チャイナドレスのお姉さんが猫なで声で通行人に話しかけています。




右手では「ねずみ料理 鼠」が営業中。青梅なので、映画の看板も飾られています。


    

 「明智君、残念ながら気づくのが少し遅すぎたようだね・・・」。怪盗の手に落ちた令嬢は、このまま連れ去られてしまうのでしょうか、それとも明智に秘策が? 展示物も展示物の配置も変更され、いつもに増してじっくり見ることができました。

 今日は仕事でしたが、高尾山に登ってきました。最後に登ったのが高校生のときです。なかなか疲れましたが(結果的に3万歩超え)、楽しかったで~す! でも、もう、眼を開けていられません・・・おやすみなさい!


『天才バンザイ猫・菊千代展』 ~青梅 赤塚不二夫会館

2009-09-04 21:48:00 | 美術館&博物館など


 続いて、町田街道を北上して青梅までひた走り、あんこさんが教えてくれた『菊千代展』に行って参りました。
 ここ青梅の赤塚不二夫会館では、赤塚不二夫さんの一周忌(もう一年経ってしまったんですね~)にあたり、『菊千代展』が開かれていて、不二夫さんの溺愛した愛猫=菊千代の秘蔵写真&映像が、今月27日まで展示されています。不二夫ファンはもちろん、猫好きの方も是非お越しくださいな~♪
 不二夫さんと菊千代の蜜月については、Angela さんのブログ『そしてどこへ行く』から、 → 「赤塚さんちの菊千代」 をご覧ください(中でも、バカボン・パパの扮装のまま菊千代と眠る写真がいい!)


 菊千代の名前は、映画『七人の侍』の三船敏郎に因んでつけられました。三船さんが演じた菊千代のように「野性味があって上品」だったのが決め手になったとか・・・ならば、最近いよいよお転婆になってきた我が家のくるみさん(かなり大人っぽくなりましたが、スリムです!)は、同じく黒澤作品の『隠し砦の三悪人』で海千山千の武将=三船敏郎(六郎太)にさんざん手を焼かせた雪姫(演じていたのは上原美佐。間違ってもリメイク版の長澤まさみではありません)に改名した方がいいかしら?
 菊千代は、バンザイをして眠るネコとして知られていて(うちの猫もお腹を見せてくれますが、あまりにも無防備で、「女の子なんだから少し考えなさい」と説教したくなる?)、大物俳優とのCM撮影も楽々こなすなどして稼いだお金を(「飼主よりギャラが高いとは・・・」と不二夫さんがぼやいている)ネコとして初めて銀行に預金します(法律改正により、現在ネコは銀行口座を開設できない)。赤塚さんは借用証を書いて、たびたび菊千代からお金を借り、飲み屋のツケを払っていたとか・・・。


 不二夫さんの一周忌と菊千代の十三回忌に、もりやじんさんが作った「招き菊千代」像。他に、赤塚漫画の主要キャラもネコ化して飾られています。菊千代がMGM映画のライオンのように「みゃあ~」と鳴いて幕が開くホームビデオは、あんこさんが書いてくれたように最高に楽しい~! 赤塚さんがあれだけ噛まれているなら、こちらも多少のひっかき傷は我慢我慢・・・?




最近はタンスのベッドがお気に入り。たった今も、ここで眠っています。


 驚異の部屋へようこそ!展 ~町田市国際版画美術館

2009-09-03 23:57:57 | 美術館&博物館など


 先日、町田市国際版画美術館に行ってきました。今まで全くノーマークだったのですが、ここ国際版画美術館は世界でも数少ない版画を中心とする美術館で、(バブル経済が始まる直前の)1987年に開館しています。奈良時代から現代まで古今東西にわたる所蔵作品は、現在2万点を超えているそうで、これには驚きました。
 美術館は駅から徒歩15分の閑静な芹ヶ谷公園の一角にあり、鑑賞後は公園内の緑とせせらぎに置かれている彫刻を鑑賞しながら散歩するのも楽しく、大変気に入ってしまいました。批判の矢面に立たされている「箱モノ」だけれど、こうした「箱モノ」なら大歓迎ですね。企画展示展&常設展示展は頻繁に様変わりするそうなので(何しろ2万点もあるのだから・・・)、これからしょっちゅう通うことになるかも?(アオガエル君で行けば、1時間かからずに着ける)


    

 ひと口に「版画」といっても、版の素材と技法によって多種に分類されますが、大まかにいうと、凸版(木版画など)、凹版(エングレーヴィングやエッチング等による銅版画など)、平版(リトグラフ=石版画)、孔版(ステンシル、スクリーンプリントなど)の四つに大別されます。左の版画は、版画で刷られた植物図鑑の最高傑作とも言われている『フローラの神殿』(1800年頃)に収められている「夜の女王」の図で、微妙なグラーデーションが作り出せるメゾチント(凹版直刻法の一つ)という技法で版が作られ、非常に手のかかる多色刷(一部手彩色)で印刷されています。右の版画は、1493年!に刊行された『年代記』より「死者の踊り」という図絵で、木版で彫られています。


 18世紀には多くの解剖図鑑が刊行されましたが、こちらの奇妙な図絵は、オランダの解剖学者フレデリック・ルイシュの著作集に収められた銅版画です(エッチング&グレーヴィング)。生物の臓器や組織がオブジェのように飾られています。ハンカチを眼窩にあてて泣いている骸骨は何を意味しているのでしょう?
 この図に限らず、この時代の解剖図鑑では、内部組織や筋肉がむき出しになった人物や骨格標本が、モデルのようにポーズを取っています。どうして?
 今回、18世紀の解剖図鑑の第一人者であるゴーティエ=ダコティの図絵が8点展示されていました。残念ながら、「解剖学の天使」と呼ばれている有名な図絵は見られなかったけれど・・・。


 町田市国際版画博物館のエントランスです。なかなかいいですね~♪
 9月23日まで開催されている今回の企画展は、版画の世界の奥深さを知ってもらうために、解剖図、動物図鑑(一角獣やドラゴンまで)、植物図鑑、怪異な空想絵図、ダンテ『神曲』の挿絵本、だまし絵、ナポレオンが作らせた『エジプト誌』などを、15~18世紀のヨーロッパで流行した「驚異の部屋」にならって展示させたとのことで、現代のオフセット印刷では絶対再現できない多色刷銅版画の精微な美しさにも、驚異の目をむけることになるでしょう。圧巻は、『エジプト誌』の挿絵になる「フィラエ島の神殿内部」と「テーベのメムノニウム神殿」。版画にこめられた情報量の多さにびっくり! ここまで描かれたら、もう笑うしかない?  
 多色刷木版画&銅版画の魅力を教えてくれたのは、澁澤龍彦、荒俣宏、鹿島茂の三氏でした。今回展示されているソーントン編『フローラの神殿』も、ナポレオンの『エジプト誌』(全26巻。19年かけて刊行)も、『人体構造の解剖陳列』も、ヨンストン『動物図鑑』も、ショイヒツアー『神聖自然学』も、ミルトン『失楽園』やダンテ『神曲』地獄篇の挿絵本などは書物なので、古書店やオークションなどで手に入れることが可能です(荒俣さんは全部持っておられますね・・・)。もしも宝くじが当たったら(買っていないので、当たるわけないけど)、メーリアン女史の『スリナム産昆虫の変態』と、ル・ドゥーテの『薔薇図譜』を手に入れたいな~♪ 

 町田市国際版画美術館について知りたい方は、 → ここをクリック


悪あがき? それともイタチの最後っ屁?

2009-09-01 23:56:44 | 独り言&拾いもの

 にわとりさんのブログでは生臭い話はしないつもりですが・・・「消費者庁」が本日(9月1日)前倒しで(肝心の電話回線もまともに引かれていないのに。空いているところがないと称して、3フロア計月額6千700万円=職員200人としても一人当たり30万円を超える高層ビルに入居)スタートしました。
 「消費者庁」の設立に関しては全会一致で決まったことだし、チェック機関である消費者委員会を設置させたことで、今回与党となる民主党にとっても思い入れの大きな「庁」なのですが、今年中に発足させる筈だったところを麻生政権の号令で見切り発車を敢行しました。人事に関しても、わざと民主党の神経を逆撫でして堂々抵抗していくからなと意志表示したのか、それとも本格的に介入される前に駆け込みしてしまおうというさもしい根性なのか、誰がシナリオを書いたにしても、傍目で見ている限りは場外乱闘を見ているような面白さがあるのですが、しだいに矢面に立たされている官僚よりも現政権への怒りが改めて込みあげてきました。駆け込みといえば、本日付で6人の高級官僚が天下りしていたそうです(そうじゃないのかもしれないけれど、この日に人事を行えば「駆け込み」と言われても仕方がないでしょう)。

 子供手当や高速道路の無料化が話題に上がりますが、差し当たっての問題は、カットされた母子手当の加算分の復活でしょう。一番簡単かと思われる問題ですが、明日にでも交付できるという話ではなく、制度的なハードルを幾つもクリアしなければなりません。
 民主党にしてみれば、今までの自民単独、(ウルトラCだった)自社&自公政権の「尻ぬぐい」から始めなければいけないわけで、既に県内移転ということで日米間で合意してしまった普天間基地の移転問題に再交渉の余地があるのか?甚だ疑問だし、差し当たって国土交通省は本体工事の「入札」を延期しましたが「八ツ場ダム」をどうするのか? ダム予定地の住民で移転を余儀なくされた人には「工事中止」も腹わたの煮えくりかえるような話で、どう折り合いをつけるのでしょう? 問題山積で前途多難が予想されますが、切磋琢磨して「国民のために」一つ一つ取り組んで下さいませ。

 防衛庁の来年度予算の概算要求の中に、2万トンクラスの空母型護衛艦の建造費が盛り込まれているそうです。(私も連合艦隊の船舶を軽巡まで暗唱できますが)過去の栄光を忘れられない人々の悲願を切々と感じて、笑ってしまいました。これまで彼らは、いつでもミニ空母や強襲揚陸艦に変身できる「おおすみ」型輸送艦2隻を「災害救助」の名目で建造し(もちろんその目的でも役に立ちます)、続いて対潜ヘリ3機を搭載している護衛艦「はるな」「ひえい」の退役に伴い、VSTOL戦闘攻撃機も運用可能な全通型ヘリ護衛艦2隻を建造してきましたが、改「はるな」型の「しらね「くらま」の退役に伴い、さらなる大型艦を要求。やっぱり「VSTOL空母」が欲しかったのだと馬脚を現わしました。予算が通れば「なしくずし三段跳び」作戦が見事成功したことになりますが、民主党を中心とする政権がどう判断するか、注目してます。