〈昭和幻燈館〉紀行その2 ~アナログの勧め

2006-11-09 22:48:35 | 日常&時間の旅


青梅駅前ロータリー。昭和モダンな駅舎です。


 全然話は変わりますが、8日の『クローズアップ現代』によると、読み書きできない若者が増えているとか。その原因の一つが、携帯電話とパソコンの依存。携帯メールこそしませんが、大いに自分にも当てはまることです。何かを勉強する以外は、鉛筆を持つことがなくなってしまいました。だから、漢字を忘れる忘れる。読みはかろうじて何とかなっても書けない・・・さらに、音読をしないし、鉛筆を持って考えることもなくなったせいか、記憶力はニワトリ以下、語彙もいよいよ貧しくなってしまったような気がします。
 読み書きは機械的に行っているだけで、脳を活性化させてくれるそうです。実際、或る文章を紙に書いた場合と携帯電話に打ち込んだ場合を比較すると、紙に書いた場合は脳全体が活動していますが、携帯電話に打ち込んだ場合は部分的にしか活動していないという、怖ろしい結果になりました。あることを調べるのでも、辞書を引くより、パソコンで検索した方が早くてしかも楽だけれど、便利は脳を退化させるという、考えてみれば当たり前の話でした。
 ということは、かなり前に書いたけれど、好きな言葉を『外套』のアカーキエウイッチ氏のように声を出しながらノートに書き写す行為は、そこに喜びも加わって、ますます脳全体が活性化してくれる筈。早速、文房具店に行って、お気に入りのノートを買ってくることにしましょう!


 【昭和幻燈館】から、斜め向かいにある【赤塚不二夫会館】に向かいます。赤塚不二夫といえば、平成の人は知らないかもしれませんが、彼が生み出したキャラクターの数々を知らない人はいない筈。なかでも、〈いやみ〉の「シェ~」のポーズは、皇太子やジョン・レノンやゴジラまで演じ たほど。(自分が見たことあるのは、ゴジラの「シ ェー」だけですが)
 個人的には、『おそ松くん』より、『天才バカボン』『もーれつア太郎』『ひみつのアッコちゃん』に親しみを感じるのは、テレビを見ていたから?

ニャロメとケムンパスの間に立つと、パパと記念写真が撮れるのだ!


  本人も「パパ」のような人だったのだ~
(バカな写真がたくさん展示されていて大笑い!)


 ママ達と一緒に二階に進むと、貴重な原画がいっぱい!
(レレレのおじさんや、あっこちゃんも案内してくれます)


 三軒隣の【昭和レトロ博物館】に移動します。ここには、懐かしいオモチャや雑誌、お菓子や生活雑貨などが展示されています。急な階段を(命がけで)上れば、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の『雪女』の資料館。『雪女』の物語が青梅を舞台にしていたとは、初めて知りました・・・

初めて見る「懐かしい」オモチャ。欲しい~


懐かしい文房具(昆虫採集セットが・・・)


 昭和の町から国立に戻ってくると、ここもお祭の最中でした(一橋祭+天下市)。大学通りを一周したのですが、たこ焼きに串焼きに焼きそばにあんず飴にりんご飴(食べ物ばかり・・・)で、2400円!の散財です。〈ディスク・ユニオン〉で、中古レコードを4枚買いました。

人人人で賑わう国立駅前


こちらは昭和ヂオラマ館の縁日(奥に見世物小屋も見える)


 買い求めたレコードは、ピンク・フロイド『原子心母』、アン=マーグレット&アル・ハート『美女とペット』、ヘレン・メリル『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』、カーペンターズ『ソング・フォー・ユー』。家に帰って早速聴いてみたら、驚いたのなんのって・・・

 ホルスタインのジャケットも秀逸だったけれど、「原子心母」の日本語タイトルをつけた人にも感心するピンク・フロイドの『Atom Heart Mother』(直訳・・・?)。こんなに凄いアルバムだったとは・・・温故知新? 昔聴いたときは「サイケで良くわからん」だったのに、アナログレコードから聞こえてくる音は、一音一音が鮮烈なメッセージになって、直接脳に語りかけてくる!

 さらに驚いたのは、『美女とペット』。アン=マーグレットが大好きで、若い頃に発表したアルバムは、72頁もある豪華なフォトアルバムがオマケ(じゃなくてメインかな?)についたCD『アン=マーグレット 1961~1966』を筆頭に、映画のDVDまで殆ど持っているのだけれど、アルバムに関しては、それほど頻繁に聴くほどではなかった。しかし、アナログで聴く彼女は、もう信じられないくらいチャーミング。こんなに魅力的だとは、(ファンでありながら)知らなかったよ~。改めて惚れ直しました。リマスタリングCD(しかも紙ジャケ)と聴き比べると、SN比は確かにCDの方が良く、音数も多いような気がする。でも、百人に聞いたら百人全員がアナログレコードの彼女に軍配を上げると思う。『バチュラー・パラダイス』のLPをいつか手に入れることができたら嬉しいのですが・・・

 同じことが、ヘレン・メリルにも、カーペンターズにも当てはまった。カーペンターズの中古レコードは磨耗による?スクラッチノイズが強烈だったのに、リマスタリングされたSACD/CDで聴く曲よりも心地よいので、本当に困ってしまった。SACDでは聴いたことがないけれど、「こんな素晴らしいカーペンターズは聴いたことがない」と思っていたリマスタリングCD『カーペンターズ~シングルズ~』(米国盤のみの発売)よりも傷だらけの中古レコードの方を気に入るなんて・・・(「拳銃ブギー」に「奥飛騨慕情」、ラスベガス在住のFusakoさんは、こんな素晴らしい音を聴いていたんですね!)
 これからは、少々アナクロでもアナログで行こうと決意するニワトリだった。

日本盤だけど、至福のひとときを過ごせます。
(全て帯付だったのも、日本人らしいといえるかも?)


今日の散財その2&空っぽになったお財布


【昭和幻燈館】【赤塚不二雄会館】【昭和レトロ博物館】を訪ねるときは、三館共通割引券(700円)が200円お得です。

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すっかり忘れてました。Q「欠けたところにいた人」の答えは、美空ひばりさんでした。
  (右下にいたお竜さんは、こうしてトシ子がお持ち帰り)