元通産官僚の古賀氏と東京新聞の辣腕記者望月さんが、現政権の深い闇をあぶり出し、その根本にあるものに迫る対談録。326頁。
特に、現政権によるマスコミ対策が、広く、深く且つ、系統的に行われている実態は、渦中にあるお二人だからこそ告発し得る不気味さを伝えている。
古賀氏は、本書の最後に二つの言葉を引いている。
ひとつは、菅原文太さんの(沖縄知事選挙の際の)言葉。
「政治の役割は二つあります。一つは、国民を飢えさせないこと。二つは、これが最も大切なことだが、絶対に戦争をしないことです。」
ふたつは、ガンジーのそれ。
「あなたがすることはほとんど無意味だが、それでもしなければならない。それは世界を変えることではなく、自分が変えられないようにするためである。」
これらは、現下のアベ政権がめざす政治をどう認識し、どう対処すべきかという本書の命題を的確に表現していると言えよう。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★)