炭酸風呂に入ってると、
外が騒がしい。
腰湯に移動し、向かい側を見ると、
壺湯に若者2名。
そのうちの一人が、まあ、よく喋る。
しかも大声。
何か、組織内の人間関係について語ってるんだが、
どうにも要領を得ない。
人間ウォッチャーとしての私としてみれば、
これは気に掛かる。
「俺は、それは、違うと思ってるんだ!」
20代だろう。
独特なヘアスタイルと顎鬚、
輩を気取っているとみた。
はて、
学生だろうか、ガテン系だろうか、お水系だろうか?
聞き耳を立てているのだが、伝わってこない。
しかし、良く喋る。
20分以上喋りっぱなしだ。
なんか、クスリでもやってんのか?
壺湯から出た彼は、「喉が渇いた」と言いながら、
戻って行った。
さもありなん。
喋り過ぎだ。
身体が冷えたところで、また炭酸風呂に戻る。
暫くすると、またあの大声。
戻ってきた。
今度こそ話の内容を確認しなければ。
腰湯に移動。
が、
今度は彼らが炭酸風呂に入って行った。
その後、
また中に戻って行ったんで、
まあ、ここまでか、と。
もう一度炭酸風呂に入って、上がる。
洗い場で、冷えて硬くなった髪を洗おう。
と、二つ隣に、彼。
まだ喋り続けている。
病的。
耳を凝らすも、
彼の背景を察するキーワードは確認できなかった。
「だから俺は、言わないで、待ってるんだ!」
相手は後輩か。
ずっと頷いてるだけ。
疲れたろうに。
諦めて上がった。