先週、横浜に行ったとき、
どうしても寄りたい所があった。
時間を捻出する為に、
ハイペースで東北道を上った。
午前中、早いうちに名義変更が終わったんで、
納車予定時間までに3時間以上時間が出来た。
向かったのは横須賀。
港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ。
三笠公園で軍艦・三笠の中を見て回った。
横須賀海軍カレーも食った。
入港中の米海軍の空母も見た。
私の祖父が職業軍人だったんでね、
大戦前から横須賀に居た。
そんな話をずっと昔に聞いていたんでね。
我が家系の歴史の一つなんでね、
一度は行っておこうかと。
家に帰ったのが遅かったんで、
土産は翌日、ウチの年寄りに渡した。
煎餅やら、饅頭やら、レトルトの海軍カレーやら。
三笠のパンフや、軍艦の本なんかも。
父親は、横須賀生まれの横須賀育ち。
まあ、
予想通り、昔の話を。
でも、
5歳位までの記憶なんで、朧気。
戦時中なんで、
夜になると祖母が、
夜回りや防火訓練なんかに駆り出されるんで、
3歳くらいの父は家に一人ぼっちで残されたという。
現代では有り得ない話。
虐待だとニュースにもなるだろう。
そんな70年以上前の記憶が呼び覚まされたのだから、
やはりキツイ事だったのだろう。
いつもよりも饒舌な年寄りの話は続く。
住んでいたのが、丘の上だと。
軍艦が係留されている所から丘に上がった場所だと。
軍艦の爆破事件なんかがあって、
スパイの仕業だといわれたとか。
家から見えたそうな。
ああ、
横浜に戻る時に通った有料道路が、海岸線を高台に上る道路だった。
フェンスの向こうに空母が見えた。
あそこだったんだな。
酔いが回ったのか、ボケが進んだのか、
年寄りは話し続ける。
三笠のパンフにある住所に記憶があるらしい。
そこには市場があり、
普通の民間人が出入りできない店があったんだと。
そして、
普通の民間人には買う事が出来ない商品が売られていたらしい。
軍人の家族だから出入り出来たとか。
それから、それから・・・・・・・
うんうん、と私は相槌を打つ。