山中に居た。
道案内的な看板を見上げていた。
環状になったその簡易地図を見ながら、
どっちから行っても同じだよ、と答えた。
何故か、
私には連れがいた。
50代の女性がふたり。
案内を頼まれたのだ。
まあ、
たまたま行き先は同じだ。
行き先といっても、
私には積極的にそこに向わなければならない理由は無い。
最終的にそこに戻れば良いだけ。
山道を歩き始める。
ふたりは年齢の所為か、
ペースも遅い。
私は景色を楽しみながら先を行く。
と、
駅に着いた。
ここから先は鉄路なのか。
古びた昭和風情の駅舎。
古い学校のような建物だ。
結構広いその建物には、
お土産コーナーなんぞがあった。
ひとりが、あるお土産に飛びつく。
見れば、
名物の鮒鮨の様なものだ。
大中小の箱があり、
それぞれ、2万円、1万円、5千円の値札だった。
彼女は大きな箱を2つ位掴むと、
レジに走っていく。
人気商品らしい。
私もひとつと思案したが、
あまりにも高い。
その脇を、
もうひとりが手を出していた。
やっぱり、名物なんだな。
次の駅を降りると、
小さな町を通り過ぎる。
気が付くと、彼女等がいない。
振り向くと。
小さな工場の様な建物から、
私を伺っている。
それに気が付いた私も、
少し離れた建物の陰に。
さて・・・・・・・・、
覚めた。
何の暗示だ?