三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

青梅教会(日本基督教団)

2013年07月07日 | プロテスタント
日本基督教団 青梅教会
(住所:東京都青梅市東青梅3-10-4)

先月の土曜日(6/22)、緑濃き奥多摩にプロテスタントの青梅教会(日本基督教団)を訪ねた。「私達の教会は1888年7月第一聖日(日曜日)に福音教会の伝道所として青梅に初めて設立された教会です。1941年に日本キリスト教団青梅教会となり、教団の中でも西東京教区に属しています。教会の場所も本町、西分を経て、1967年に東青梅に移転しました」(教会案内書より)。ここは小説『大菩薩峠』の作者・中里介山ゆかりの教会でもあり、以前から訪れたいと考えていた。

JR青梅線の東青梅駅で下車。カトリック青梅教会の記事でも触れたが、駅周辺には天寧寺や塩船観音寺などの古刹がある。1888年、この地に菊池武千牧師が青梅福音教会を設立。これが現在の青梅教会の前身だ。その14年後、小学校の代用教員を務めていた中里介山(1885-1944年)が、同僚のクリスチャン女性に憧れて(!)青梅福音教会に通うようになった。介山は故郷の羽村に講義所を開設するほどキリスト教に熱中したが、後に法然に惹かれて浄土仏教に帰依した。

青梅教会に到着。ここは長い歴史を刻んできた「多摩の百年教会(注)」の一つである。この日は新築の礼拝堂で「さんびかを歌う会」があった。講師はバリトン声楽家の森野信生氏(洗足学園音大講師)。クリスマス讃美歌などを歌ったが、かなり本格的なレッスンで、ソプラノとアルトの二部に分かれて歌うなど、合唱の中・上級者レベルの内容。森野氏の独唱による讃美歌「輝く日を仰ぐとき」も素晴らしかった。介山のロマンスがほのかに漂う(?)礼拝堂に、讃美の歌声が響き渡る。


礼拝堂内観(2011年竣工)


礼拝堂外観

(注):多摩地域で百年以上の歴史を有する教会は次の通り(カッコ内の数字は創立年)。カトリック泉町教会(1877年)、カトリック八王子教会(1877年)、日本聖公会・聖マルコ教会(1885年)、日本聖公会・八王子復活教会(1908年)、日本基督教団・青梅教会(1888年)、日本基督教団・八王子教会(1905年)、日本基督教団・原町田教会(1910年)。

◆主な参考文献など:
・「明治期 多摩のキリスト教」 沼謙吉著(法政大学多摩地域社会研究センター・2000年)
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