三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック蒲田教会

2011年05月19日 | 東京のカトリック教会
カトリック蒲田教会(教会堂名:聖フィリポ)
創立:1961年 ◇ 住所:東京都大田区新蒲田1-13-12

JR京浜東北線の蒲田駅で下車。ホームの発車メロディが、軽快な「蒲田行進曲」だった。「青春もゆる 生命はおどる キネマの天地」と歌われた松竹蒲田撮影所は、現在の大田区民ホールの地にあった。「蒲田行進曲」は、この撮影所の所歌だったのだ。まさしく、蒲田は日本映画の揺籃の地と言えよう。しかし、私の邦画に対する印象は最悪だった。物心がついた頃、任侠映画や角川映画などによって、邦画といえば「野蛮、内容空疎」としか思えなかった。

ハリウッドなどの洋画一辺倒だった私が、ようやく邦画の魅力に開眼したのは、衛星放送で小津安二郎監督と木下恵介監督の作品を見てからだ。それらの中でも、小津監督の映画「大人の見る絵本 生まれてはみたけれど」(1932年)などの初期作品は、蒲田撮影所で製作されている。「生まれてはみたけれど」は、子どもの目を通して、大人の卑屈な処世術を風刺したサイレント映画の傑作。木下監督の「破れ太鼓」(1949年)とともに、私の好きな日本映画だ。

蒲田教会に到着。三角屋根の聖堂は小平教会と似ているが、ここも親建会の設計・施工。教会堂名の聖フィリポは十二使徒の最古参だが、あまり詳しいことは知られていない。ただ、「主よ、わたしたちに御父をお示しください。そうすれば満足できます」と言ったフィリポに対し、イエスが「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ」と諭されたこと(ヨハネ14・8-9)など、印象的な場面に登場している。


現聖堂献堂:1961年
“ナタナエルが、「ナザレから何か良いものが出るだろうか」と言ったので、
フィリポは、「来て、見なさい」と言った。(ヨハネ1・46)”

◆主な参考文献など:
・「小津安二郎新発見」 松竹編(講談社+α文庫・2002年)
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