三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック小平教会

2011年02月10日 | 東京のカトリック教会
カトリック小平教会(教会堂名:聖マリア)
創立:1957年 ◇ 住所:東京都小平市大沼町2-32-10

西武バスの大沼町停留所で降りる。小平教会を目指し、武蔵野の面影が漂う道を歩く。この辺りは高層建築が少なく、空が広く見える。小平市の地図を開くと、土地が短冊状に細分化されていることに気づく。これは江戸時代の新田開発による耕地配分の名残りである。玉川上水の完成によって、大規模な開拓が可能となったのだ。下車したバス停の周辺も、古くは大沼田新田といった。しばらく歩いていると、稲荷神社の広い境内が現れた。かつての鎮守だろうか。

さらに進むと、何だか「寂しい集落」の雰囲気になってきた。ここにカトリック教会は実在するのだろうか。心細くなっていると、小平教会の入口を示す看板が目に入った。小路に沿って、教会の敷地が南北に伸びている。屋根に十字架が無ければ、町内の集会所と見紛う聖堂は、多くの教会建築を手がけてきた親建会(注)の設計。武蔵野の風景と折り合うように造られているのだろう。併設のサンタマリア幼稚園は既に廃止され、旧園舎が信徒会館になっている。

小平教会の起源は、大沼町の信徒宅で行われていた家庭集会である。吉祥寺教会の分教会となったが、前出の信徒から土地の寄贈を受け、小教区として正式に独立した。つい最近まで、園児の元気な声に包まれていた聖堂も、今は静かな祈りの家の佇まいだ。私は小さい念祷を捧げ、帰途についた。ところで、小平にはカトリック系のサレジオ中学校がある。この学園のモットーは、創立者ドン・ボスコの「Renditi umile, forte e robusto (謙虚で強く逞しくあれ)」。


現聖堂献堂:1975年

(注):株式会社親建会工務所・親建会一級建築士事務所。カトリック東京大司教区内の主要作品は、秋津教会・板橋教会・梅田教会・青梅教会・蒲田教会・北町教会・潮見教会・関町教会・豊四季教会など。
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