三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

上智大学クルトゥルハイム

2010年12月02日 | 東京のカトリック教会
上智大学クルトゥルハイム(学内聖堂)
住所:東京都千代田区紀尾井町7-1(四谷キャンパス内)

聖イグナチオ教会のミサへ行く前に、隣接する上智大学のクルトゥルハイム(学内聖堂)を訪ねた。2013年に創立100周年を迎える上智大学では、四谷キャンパスの再整備が進んでいる。近代的な校舎が建ち並ぶ中にあって、重厚な造りの1号館(1932年竣工)とともに、この「クルトゥルハイム」は歴史的な建築と言えよう。当館は遠藤周作氏の小説「女の一生(二部・サチ子の場合)」(新潮文庫)でも印象的に描写されていた。クルトゥルハイムの玄関内にある説明文を要約してみよう。

『もとは高島鞆之助中将(子爵)邸。建築時期は、高島中将が第二次松方内閣で陸軍大臣を務めた1896-97年頃と推定。1912年、大学建設用地を求めていたイエズス会が、高島邸を中心とする約4,300坪の紀尾井町の土地を入手(現在の四谷キャンパス)。1937年、旧高島邸は上智大学クルトゥルハイム(ドイツ語で「文化の館」の意)として開所。当館は関東大震災、第二次大戦時もほとんど無傷で残り、紀尾井町の土地購入時の唯一現存する建物(煉瓦造・スレート葺の二階建)』。

古いドアを開けると、明治の洋館が醸し出す別世界が目に入る。1階には広い応接間、食堂などがあり、何となく(華族の没落を描いた)映画「安城家の舞踏会」(1947年・松竹)を思わせる雰囲気だ。階段脇の部屋は「聖テレジア」の名を戴いた小聖堂となっている。年季の入った手すりを伝って2階へ上がると、日当たりの良いクルトゥルハイム聖堂、香部屋などがある。ここが都心のキャンパスとは思えないほど、聖堂内は静寂に包まれており、時が経つのを忘れて黙想したい空間である。


上智大学クルトゥルハイム(Kulturheim)聖堂 (2階)
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