三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック多摩教会

2010年12月18日 | 東京のカトリック教会
カトリック多摩教会(教会堂名:聖マキシミリアノ・マリア・コルベ)
創立:1972年 ◇ 住所:東京都多摩市聖ヶ丘1-30-2

神奈中バスの車橋停留所で下車し、乞田(こった)川の側道に沿って歩く。春は桜並木が美しい遊歩道である。この流域は古くから交通の要衝だったところで、現在も旧鎌倉街道の面影が残っている。中世の関所や「太平記」に描かれた古戦場などの史跡も多い。近代以降は、若き日の明治天皇が狩猟に訪れた曾遊の地だった。その「行幸」を顕彰した多摩聖蹟記念館は帝都名所の一つだったが、現在は訪れる人も少なく、東側の丘の上で風雪に耐えている。

多摩教会は乞田川に架かる橋の袂にある。白亜の聖堂を仰ぐと、かつての「マンション教会時代」を想像するのが難しい。1970年代、多摩ニュータウンに入居した信徒は、この地域に蒔かれた信仰の種となり、教会誕生の原動力となった。初期の多摩教会は市内のアパートやマンションの一室を転々とする。20世紀末、ニュータウンの全盛期は過ぎ去ったが、多摩教会は悲願の聖堂建設に着手した。所在地の聖ヶ丘にふさわしく、聖なる丘に立つ教会となっている。

教会堂名のコルベ神父については多言を要しないだろう。アウシュヴィッツで一囚人の身代りとなり、「人、その友のために死す。これより大いなる愛はなし」を実践した聖人として名高い。コルベ神父の名を、私は早乙女勝元氏の『優しさと強さと アウシュビッツのコルベ神父』で知った。児童書の一冊だが、表紙を飾るコルベ神父の悲しげな表情が購入の動機となった。多摩教会には、コルベ神父の聖遺物(顎髭の一部)が祭壇正面の左側に安置されている。


現聖堂献堂:2000年


聖堂外観

◆主な参考文献など:
・「優しさと強さと アウシュビッツのコルベ神父」 早乙女勝元著(小学館・1983年)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 聖母病院 | トップ | カトリック高幡教会 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。