三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

大斎節第1主日の聖餐式

2013年02月21日 | 聖公会の礼拝
東京都選定歴史的建造物の立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

2月17日(日)、立教大学チャペルで大斎節第1主日の聖餐式に参列した。昨年の降臨節第2主日以来、私にとって聖公会の礼拝は5回目。午前10時、振り香炉と行列用十字架を先頭に、司祭団が厳かに入堂。福音朗読はカトリックの四旬節第1主日と同じ個所(ルカ4・1-13)。佐藤忠男主教(立教学院チャプレン長)は、「大斎節中は禁欲の我慢比べの時ではなく、イエス様の私たちに対する豊かな愛を知り、教会が感謝と喜びに満たされる時です」と話された。

奉献聖歌「イェスきみ イェスきみ」を歌う。作詞は米国の女性詩人ファニー・クロスビー(注)。生後間もなく失明したが、生涯に6千を超える詩を書いた。代表作の聖歌「あなうれし わが身も(Blessed Assurance)」は、映画「プレイス・イン・ザ・ハート」(1984年)や「バウンティフルへの旅」(1985年)を通してご存じの方も多いと思う。1997年、日本基督教団が『讃美歌21』を刊行した時、クロスビーの詩は一篇も再録されなかったから、聖公会の礼拝で歌えるとは思わなかった。

礼拝後、この日もキャンパスを散策した。モリス館の東隣りに、1960年竣工の図書館新館がある。「新館」とは言っても、私の学生時代は既に旧館のように古ぼけていた。設計は東京カテドラルなどを手がけた丹下建三氏。この「新館」は正真正銘の旧館(下写真)と繋がっており、私はそこの大正時代の雰囲気が漂う閲覧室で本を読むのが好きだった。昨年秋、大規模な新図書館の開館によって、懐かしい旧・新館のコンビは図書館としての長い使命を終えた。


1918年竣工の立教大学図書館旧館

(注):Fanny Crosby(1820-1915年)。2006年版『日本聖公会聖歌集』はクロスビー作詞の聖歌を3篇収録(128「イェスきみ イェスきみ」、518「きよき岸辺に」、535「あなうれし わが身も」)。

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜3-a(キリエ、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:129「四十日(よそか)経るまで」、130「霊に送られ」、奉献聖歌:128「イェスきみ イェスきみ」、派遣聖歌:131「荒野に送られ」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「聖歌のしらべ 古今聖歌集作曲者略解」 佐藤裕著(聖公会出版・1987年)
・「賛美歌・聖歌ものがたり 疲れしこころをなぐさむる愛よ」 大塚野百合著(創元社・1995年)
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