三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

聖体賛美式と講演会

2011年11月25日 | ミサ聖祭
式典当日のカトリック下井草教会
(住所:東京都杉並区井草2-31-25)

11月20日(日)、下井草教会で聖体賛美式に与った。私の祖父の時代は、「聖体降福式」と呼んでいた。これは、「聖体を崇拝し、聖体に在すイエズス・キリストを讃美し、其の祝福を蒙る聖式」で、「司祭は三度香を捧げ、讃美歌の終りに頌句及び祈願を朗読し、次に肩布を纏い、立って顕示台を捧持し、信者の方に向い、其上に顕示台を以て十字架の印をし、同時に之を以てイエズス・キリスト御自ら信者等を祝福し給まわんことを希う」(メイラン神父著「公教提要」)。

聖体賛美式に先立ち、幸田和生司教の講演会「教会が生きる支えとなるために(自死と震災をめぐって)」があった。私が幸田司教のお話を拝聴するのは、今回が初めてだ。講演会の副題が示す通り、非常に重い内容である。従来、教会は自死を「神に対する大罪」と教えていた。しかし、自死者が13年連続で3万人を超える日本の現実に直面し、教会も自死者の遺族や自死を考えている人たちの「苦しみを見つめ、共感をもって接していこう」と呼びかけている。

私は「自死は痛ましいが、自分とは無関係」と考えていた。 幸田司教は多くの事例を挙げ、「自死者が追い詰められた問題は、私たち自身の問題。教会は兄弟姉妹のように支え合う共同体でありたいと思います」と話された。午後3時30分、聖体賛美式。祭壇の四隅にローソクが灯り、中央に聖体顕示台が置かれた。会衆は聖歌を歌い、献香のときは跪く。聖体の前で、沈黙のうちに祈る。「主よ、教えてください。わたし自身も苦しむことを、人と共に苦しむことを」。


カトリック下井草教会を望む
<聖堂の背後に峨々と聳えるマンション群>

◆祭儀中の主な歌:
入祭:典礼聖歌395「主よわたしが悩むとき」、聖体賛美(献香):典礼聖歌321「いつくしみと愛(ウビ・カリタス)」、閉祭:典礼聖歌400「ちいさなひとびとの」。

◆主な参考文献など:
「公教提要」 メイラン神父著(天主公教会・1930年)
「自死の現実を見つめて」 カリタスジャパン啓発部会編(カトリック中央協議会・2010年)
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