【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「十三人の刺客」

2010-10-03 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)

いやあ、久しぶりの本格集団抗争時代劇、堪能したなあ。
・・・ってあなたこそ、久しぶり。途中下車したんじゃないの?
ああ、都バスは途中下車した。でも、映画は観てる。
それって、死んだと思った人が実は死んでなかったみたいで、なんか卑怯な感じがしない?
まさしく、そこが問題点なんだよなあ、「十三人の刺客」は。
えっ、どういう意味?
すべての闘いが終わったあとに、ちょっとしたどんでん返しがあるんだけど、それって必要だったのかなあと思うわけさ。
最近はそういう観客を騙すことがエンターテインメントだと思っている映画が多いからね。
そうでもしないと観客を満足させられないとでも思っているのかなあ。あんなエピローグつけるくらいなら生き残った男がひとこと決めゼリフでも吐いて暗転したほうがよっぽど引き締まったエンディングになったと思うんだけど。
あなたが常々糾弾している“ものほしげな終わり方”ってやつね。
ああ、それまでは快調に飛ばしていた映画が、あの蛇足で腰砕けになる。
でも、サムライ社会の空しさとかサムライ社会の終焉が近づいている時代を表すにはああいう終わり方があってもいいんじゃないの?
そんなことはない。物語の決着はついているんだから、言いたいことがあればひとこと決めゼリフで終わらせ、サッと切り上げりゃあいいんだよ。それが粋っていうもんだ。
同じ時代劇の「七人の侍」でいえば「勝ったのは農民で俺たちじゃない」みたいな?
そう、そう。それがあるかないかが、ただの「佳作」と映画史に残る「名作」の分かれ目になると言っても過言ではない。
ずいぶん、こだわるのねえ。それが言いたいばかりに、この会話が復活したみたいじゃない。
ああ、せっかくの本格時代劇なのに、最近の日本映画の悪しき風潮がここにまで及んでいるのかと思うと黙っていられなくなった。
じゃあ、言いたいこと言ったんだからもういいわね。
いや、まだまだ言いたいことはあるぜ。年はとっても松方弘樹、さすがは東映時代劇育ちとか、稲垣吾郎意外な熱演とか。
でも前回で私たちの会話には「FIN」打っちゃったのよ。それこそ、この会話は蛇足じゃない?
いいや、バスは下車したけど「FIN」は撤回する。これからもこの会話は続けることにする。
おお。誰も喜ばないどんでん返し!


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2 コメント

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Unknown (kira)
2010-10-08 22:12:23
>物語の決着はついているんだから、言いたいことがあればひとこと決めゼリフで終わらせ
・・・まるっと同意。
アレは要らなかったデス。

最近の邦画のほうが(笑)セリフ自体は気が利いてていいな、と思っていたので、
なんとなくアレは確信犯的で、余計でしたね~。
そういうところが三池監督らしいですけど。
おかえりなさい! (真紅)
2010-10-09 00:33:46
ジョーさん、おかえりなさい! またバスに乗って下さってうれしいです。
これからも読ませていただきますね。復活ありがとう~♪

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