土曜の雨は土の匂い

明日は強い雨風と見込んで、昨日ドッサリ買い込んだ食材の中に新ごぼうがありました。
ところが朝日の眩しさで目覚めた今朝、窓を開けると開けた途端にビュッと家の中を何かが駆け抜けるような、物凄い風。
駆け抜けた風と共に昨日までの疲れが吹き飛んでしまい、爽やかな朝となりました。

実は昨夜は2時過ぎまで、ホットウィスキーをチビチビやりながら本を読んでいたのです。
実家に引っ越して2軒の家を行き来する時間がなくなってこそできる、至福の週末の貴重な深夜の時間。
明日はお休み、朝寝坊しても慌てる心配はないと思っていましたが、悲しい哉サラリーマンの習性というべきか5時間眠ると起きてしまう体内時計。

二度寝する気持ちも強い風と一緒にどこかに吹き飛ばされてしまい、珈琲を淹れて優雅に朝刊を読む幸せ。
青空の下スパンスパンと響くテニスコートからの音をBGMに新聞を読みながら、ちょっと散歩に外に出ようかと支度すると空は一転、にわかにかけ曇りザーッという雨の音。
ベランダに出ると、雨音と一緒に懐かしいような草と土の匂いに包まれました。

雨が止んだらまた眩しい程の青空になり、風は冷たく肌寒い。
昨日買った新ごぼうをきれいに洗って、甘酢漬けにしました。
前に九州の物産展で買ったごぼうの甘酢スティックが美味しかったので、新ごぼうが出たら作ってみようと前々から思っていたのです。
ごぼうを茹でる鍋から立ち上る土の匂いは、さっきの雨の匂いと同じ懐かしくて瑞々しい匂いがしました。
洗ったごぼうを茹でて甘酢に漬けるだけの簡単調理、そのまま食べておつまみに、細かく刻んでマヨネーズと和えたらごぼう風味のタルタルソースにもなります。
雨音を聞きながら、懐かしい匂いに包まれた土曜日でありました。