解体工事の進む幼稚園と病院の裏手は並木道になっていて、道路の両側に植えられた樹齢50年近い欅の樹が涼しい木陰を作ってくれています。
その日その時の天候によって並木道の向こうが切通しのようでもあり、トンネルのようでもあり、夜は少し怖い一面もある、いろんな顔を持つ不思議な並木道。
夜この道を通る時に怖いのは街灯の灯りが樹に遮られて足元が暗く、並木道を抜けるとたまに異界に足を踏み入れてしまうことがある、というのではなく阪神大震災以来の凸凹になったコンクリート道がハッキリ見えず自転車で少しスピードをだすと転倒してしまいそうになることです。
あとたまにドキッとするのは誰もいないと思って通っていると、夕涼みのおじいさんやおばあさんが暗闇の中に座っていてウワッと驚くことがあります。
会釈をして通り過ぎますが、今まで一度も知った顔の方がいたことはなく、知らない顔の方ばかり。
暗闇の中で出会うご老人たちは、もしかしたらアッチの人達なのかもしれません。
朝はこの通り爽やかな顔の並木道。
お日様がカーッと照っていても中は涼しい風が吹き渡っています。