NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」原作脚本藤本有紀は登場人物の言葉を借り数々の名言
数々の伏線回収で話題となったNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」であるが、名言・金言・処世訓・人生訓ともいうべきことばも数多くあり注目すべきではなかったか。私がよく見ていた朝ドラ「スカーレット」も主人公川原喜美子の口をかりて、名言が飛び出していたが、朝ドラの魅力ってここらへんにもあるのではないか。15分のドラマの中で、自分なりの「人生訓」を見出し、その日を頑張ってみるというのも一興だと考える。作者も思いを込めて、登場人物に語らせているのだと思うので。
「 日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ」(伴虚無蔵)
3代目のひなたが就職した映画村の大部屋の「虚無蔵」が常々言っている言葉であったが、この後に続く言葉があった。英語を駆使し「ハリウッドで活躍する日本人」に挙げられるようになった「ひなた」であったが、ひさしぶりに映画村を訪れ、ラジオ英語講座の講師を頼まれて悩んでいることを明かしたときに言った虚無蔵の言葉。
「そなたが鍛錬し培い、身に着けたものはそなたのもの。一生の宝となるもの。されどその宝は、分かち与えるほどに、輝きがますものと心得よ」(伴虚無蔵)
これら虚無蔵の言葉は、自身が体現したからこそ出てくることばであろう。
2代目るいが「クリスマスジャズフェステバル」で1代目母の安子に届けるために、「サニーサイドストリート」を歌うつもりであったが、母が最期の訪日をして既にアメリカに帰ってしまったと思われたときに「歌う意味、あるんやろうか」と吐露。そのとき、良友となった一子が、お茶の師匠らしいことばで返答。
「意味があるのないのか、分からんことをやる。誰かのことを思うてやる。それだけで、ええんとちゃう?」(野田一子=ベリー)
さらに、カムカムの100年にわたるドラマを共通に支えた言葉がある。
雉真家のお手伝いで後に次男勇の嫁になった雪衣は、勇と親しげでおはぎを売り歩き大実業家雉真家にふさわしくないようなふるまいをする安子(夫の長男雉真稔は戦死)に対して、それに反感を覚えた自分の言動が原因で、安子とその子のるいを引き裂くことになったのだという思いを抱いていた。しかし、安子の行動は、ただ単に(戦後)実家の和菓子屋の再建とるいの額の傷の手術代を工面しようと働いていたのだと、後から雪衣は知ったのである。病床に着いた雪衣が、まだ幼かった「るいちゃんに、ひどいことをいってしまった」と後悔の念をいうと「自分を責めんといてください。みんな間違うんです。」といったのが、この「るい」の言葉である。
誤解をしていたということでは、これは「るい」も同じで、その時、母安子との仲について自分こそ間違っていたとうすうす悟っていたのだ。母安子の兄さんが和菓子屋の再建の資金を持ったまま失踪してしまった。そこで、安子はるいの入学式には出席すると約束したが、岡山から大阪に出向いて兄を探しに行き、ついに土砂降りの雨の中で倒れてしまったというのが事実なのだが。そこで、介抱している進駐軍のロバートとハグしている場面を「るい」は目撃して、自分よりも大切なのはロバートなのだ、自分は捨てられたと思ってしまう。 そして、衝撃の言葉を「るい」は安子に投げる「Ihate you」。そのまま、安子はロバートに「Take me to the united states」と言いアメリカに渡ってしまうのである。
「るい」の誤解が解けても安子はアメリカのどこにいるかも分からなかった。そして、半世紀ほど経って、孫のひなたの仲介も大きいのだが、ようやく安子と「るい」が再会しハグする。そして「るい」は安子に言う「I love you」と。
みんな人生のどこかで誤解をして行動してしまう場面がある。その時は、その場でできる限りでの情報の中で行うものであり、そのときは自分は最良の行動だと思ってのことなんだが・・・。しかし、後から考えてああすればよかったとか、こうすればよかったとか後悔の念が生じることがある。るいや雪衣のように生きているうちに清算できればいいのだが、そうできないことも多い。※注1※ 「親孝行したいときには親はなし」である。※注2※
「自分を責めんといてください。みんな間違うんです」と考えるしかない。そのときは、自分の最良の行動だったんだから。全知全能なる神しか人生は見通しできないので、自分の思いどおりにならないものなのだ。逆に言うと、間違ったのではなく、そのことにより、あたらしい人生のドラマが始まる、そういう人生が予定されていたかもしれないのとも考えられるのだ。 事実、朝ドラのカムカムの中では 「Ihate you」から3代続く物語がはじまり、そして3代目の孫のひなたは、1代目安子との縁でアメリカに留学し、ハリウッドでキャスティングディレクターとして活躍するのだから。
※注1※ あの世ではいつでもどこでも(時間・場所を超えて)謝ることができるとは言う。
※注2※ 3世代にわたるような大きい間違いは本文で述べるとおりであろう。しかし、人生小さな誤りは常にある。誤りの連続であるといってもいい。ただ、この場合には、誤ったと思った時点で変えればいいことであって問題はない。自分が間違ったことについて、修正する方法はないのかを考えればよいのである。(参考;斎藤一人 あなたが変わる315の言葉)
数々の伏線回収で話題となったNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」であるが、名言・金言・処世訓・人生訓ともいうべきことばも数多くあり注目すべきではなかったか。私がよく見ていた朝ドラ「スカーレット」も主人公川原喜美子の口をかりて、名言が飛び出していたが、朝ドラの魅力ってここらへんにもあるのではないか。15分のドラマの中で、自分なりの「人生訓」を見出し、その日を頑張ってみるというのも一興だと考える。作者も思いを込めて、登場人物に語らせているのだと思うので。
「 日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ」(伴虚無蔵)
3代目のひなたが就職した映画村の大部屋の「虚無蔵」が常々言っている言葉であったが、この後に続く言葉があった。英語を駆使し「ハリウッドで活躍する日本人」に挙げられるようになった「ひなた」であったが、ひさしぶりに映画村を訪れ、ラジオ英語講座の講師を頼まれて悩んでいることを明かしたときに言った虚無蔵の言葉。
「そなたが鍛錬し培い、身に着けたものはそなたのもの。一生の宝となるもの。されどその宝は、分かち与えるほどに、輝きがますものと心得よ」(伴虚無蔵)
これら虚無蔵の言葉は、自身が体現したからこそ出てくることばであろう。
2代目るいが「クリスマスジャズフェステバル」で1代目母の安子に届けるために、「サニーサイドストリート」を歌うつもりであったが、母が最期の訪日をして既にアメリカに帰ってしまったと思われたときに「歌う意味、あるんやろうか」と吐露。そのとき、良友となった一子が、お茶の師匠らしいことばで返答。
「意味があるのないのか、分からんことをやる。誰かのことを思うてやる。それだけで、ええんとちゃう?」(野田一子=ベリー)
さらに、カムカムの100年にわたるドラマを共通に支えた言葉がある。
雉真家のお手伝いで後に次男勇の嫁になった雪衣は、勇と親しげでおはぎを売り歩き大実業家雉真家にふさわしくないようなふるまいをする安子(夫の長男雉真稔は戦死)に対して、それに反感を覚えた自分の言動が原因で、安子とその子のるいを引き裂くことになったのだという思いを抱いていた。しかし、安子の行動は、ただ単に(戦後)実家の和菓子屋の再建とるいの額の傷の手術代を工面しようと働いていたのだと、後から雪衣は知ったのである。病床に着いた雪衣が、まだ幼かった「るいちゃんに、ひどいことをいってしまった」と後悔の念をいうと「自分を責めんといてください。みんな間違うんです。」といったのが、この「るい」の言葉である。
誤解をしていたということでは、これは「るい」も同じで、その時、母安子との仲について自分こそ間違っていたとうすうす悟っていたのだ。母安子の兄さんが和菓子屋の再建の資金を持ったまま失踪してしまった。そこで、安子はるいの入学式には出席すると約束したが、岡山から大阪に出向いて兄を探しに行き、ついに土砂降りの雨の中で倒れてしまったというのが事実なのだが。そこで、介抱している進駐軍のロバートとハグしている場面を「るい」は目撃して、自分よりも大切なのはロバートなのだ、自分は捨てられたと思ってしまう。 そして、衝撃の言葉を「るい」は安子に投げる「Ihate you」。そのまま、安子はロバートに「Take me to the united states」と言いアメリカに渡ってしまうのである。
「るい」の誤解が解けても安子はアメリカのどこにいるかも分からなかった。そして、半世紀ほど経って、孫のひなたの仲介も大きいのだが、ようやく安子と「るい」が再会しハグする。そして「るい」は安子に言う「I love you」と。
みんな人生のどこかで誤解をして行動してしまう場面がある。その時は、その場でできる限りでの情報の中で行うものであり、そのときは自分は最良の行動だと思ってのことなんだが・・・。しかし、後から考えてああすればよかったとか、こうすればよかったとか後悔の念が生じることがある。るいや雪衣のように生きているうちに清算できればいいのだが、そうできないことも多い。※注1※ 「親孝行したいときには親はなし」である。※注2※
「自分を責めんといてください。みんな間違うんです」と考えるしかない。そのときは、自分の最良の行動だったんだから。全知全能なる神しか人生は見通しできないので、自分の思いどおりにならないものなのだ。逆に言うと、間違ったのではなく、そのことにより、あたらしい人生のドラマが始まる、そういう人生が予定されていたかもしれないのとも考えられるのだ。 事実、朝ドラのカムカムの中では 「Ihate you」から3代続く物語がはじまり、そして3代目の孫のひなたは、1代目安子との縁でアメリカに留学し、ハリウッドでキャスティングディレクターとして活躍するのだから。
※注1※ あの世ではいつでもどこでも(時間・場所を超えて)謝ることができるとは言う。
※注2※ 3世代にわたるような大きい間違いは本文で述べるとおりであろう。しかし、人生小さな誤りは常にある。誤りの連続であるといってもいい。ただ、この場合には、誤ったと思った時点で変えればいいことであって問題はない。自分が間違ったことについて、修正する方法はないのかを考えればよいのである。(参考;斎藤一人 あなたが変わる315の言葉)