元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

孫氏の兵法「(兵)少なければ逃れ、しからざればこれを避く」(外交の基本)

2021-05-02 11:11:17 | 職場・組織等
 現実、いやおうなしに相手との力関係により決まってくる

 孫氏の兵法の「敵を知り己を知れば100戦危うからず」は有名であるが、外交官だった孫崎享氏<*注>は、外交の観点からも、孫氏の兵法は深遠な思想が詰まっているとしている。その中でも、すばらしいものとして、次のようなものを紹介している。

 「用兵の法は、10なればすなわちこれを囲み、5ならばすなわちこれを攻め、倍すればすなわちこれを分かち、敵すればすなわちこれと戦い、少なければすなわちこれを逃れ、しからざればすなわちこれを避く。ゆえに小敵の堅は大敵の擒なり」
 ⇒戦いの原則は、敵の10倍の戦力があれば敵を取り囲み、5倍であれば攻め、2倍であれば敵を分断し、互角の時は全力で戦い、少なければ退却し、勝ち目がないと見たら戦わない。つまり、自軍が劣勢のときは強気に出て戦えば、強敵の餌食になるだけだ。
 (「13歳からの日本外交」孫崎享著 かもがわ出版)
 
 歴史的な評価・経緯は別にして、第2次世界大戦の前1925年の段階の資料では、GDPは米国は日本の約14倍、軍事支出で実に約4倍です。冷静な分析を行えば、とても勝ち目はなかったように思われます。

 現実の問題として、相手の国にどのように対応するかは、いやおうなしに、相手と自分との力関係で決まってくるともいえます。
 「相手より兵力が少なければ退却し、勝算が立たなければ敵軍との衝突をさけるべき」なのです。
 特に、現在においては、日本は紛争を解決する手段として戦争は放棄しております。

 必ずしも、そういった「兵力」だけの問題の話ではなく、もっと大きな「国力」として考えても同じことがいえると思います。
 
一般的に、小国が大国に戦いを挑むのは、「孫氏の兵法」を持ち出すまでもなく無謀なことだし、大国は核を持って戦えば結局のところ、地球は崩壊してしまうという状況にあります。今ほどに、平和憲法を持った日本の外交の真価が問われる時代はないと思います。
 
 外交に限らず、日常の世界・ビジネスにおいても、この「孫氏の兵法」考えるべくヒントはありそうです。
 
 <*注> 孫崎享氏は著書「13歳からの日本外交」(かもがわ出版)の中で、『時代は変わりました。「核兵器、ミサイルの発達で、軍事力で国を守る」ということができない時代に入りました。非軍事の分野で、軍事衝突にいかないシステムを作る必要性がいつの時代よりも必要になっている。幸いなことに、これまで人類が考えてきた英知は十分あります。・・・人類が、そしてその中の国家が、知性に背を向けて、生存や繁栄はないと考えます。』とし、著名にあるように”若い人々”の「自ら考える」ことに、その未来を託すような終わりになっている。 
 
 
  
  
コメント
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