就業規則等により与えられた休暇等→無給・有給は就業規則等によるが、会社に帰責事由がある場合は払う必要も
ノーワーク・ノーペイの原則=労働契約を結んでいても、労働者は働かなからければ賃金をもらう権利なし、むつかしく言うと、労務を提供しなければ賃金請求権がないというのが、明文の規定はありませんが、これが大原則です。
1、法に定めのある休暇等→有給・無給の定めはなく、ノーワークノーペイにより無給と解される
例として、労働基準法の産前産後の休業や生理日の休暇、あるいは育児休業法の育児・介護休暇については、労働契約そのものは解消はされてはいないのですが、労働契約上の義務が消滅していることとなって(これを「労働契約の中断」と呼ぶこととします)、労働者から言わせると、労働の義務のない状態になります。これは、先に述べた「労務を提供しなければ賃金請求権も発生していない」、いわゆる「ノーワーク・ノーペイの原則」が適用されることとなり、使用者の賃金支払い義務は消滅していることとなります。
したがって、産前産後休業・生理日休暇や育児休業休暇については、その権利を法律で認められたものではありますが、これら休みの間の賃金については、これらの法律で特に有給であるとの規定はない以上、ノーワークノーペイに原則によって、無給と解されています。このように、労働契約の中断については、これらの他にも、休暇等が法律上権利として認められるものがありますが、同様に<*1>賃金についてはなんら規定がなく(=有給か無給かの規定がない)、そのため、無給とされています。
ただし、労働基準法は最低の基準を定めていることなどから、休んでもうちの会社では給料をあげるよといっても、それはそれで結構なことで、就業規則や労働協約で有給としている会社もあります。
2、就業規則・労働協約により与えられた休暇等→無給・有給の取り扱いは就業規則等によるが、会社に帰責事由がある場合は払う必要がある場合も
法に定めのない慶弔休暇や会社の創立記念日、リフレッシュ休暇などの就業規則や労働協約で規定されている休暇については、賃金の有無の取り扱いもその就業規則等に従うことになります。
ここで注意しなければならないのは、労働契約の中断が会社に帰責事由がある場合です。民法536条2項で、使用者の責めに帰すべき事由によって労務を提供することが出来なくなったときは、労働者は反対給付(=給料)を受ける権利を失わないとあります。労働者の個人的な事故等の業務と無関係な事情が原因の場合は問題はありませんが、会社側にその原因がある場合は、使用者の責めに帰すべき事由があってということになりますので、この場合は、労働者はまだ賃金請求権があることになります。
この規定は、任意規定とされていますので、就業規則等でこの場合でも賃金を支払わないことを規定すれば支払わないよと言うことはできます。
ただし、その場合でも、このように使用者に帰責がある場合<*2>は、労基法の「休業手当」は必ず支払わなくてはなりませんので、就業規則等の内容がどうであれ、平均賃金の6割以上は休業手当として、労働者に支払わなければなりません。(労基法13条)
これに対し、会社に帰責がない場合は、有給か無給かを、全く自由に、会社の判断でどちらでも選ぶことができます。
参考 労働法実務講義 大内伸哉著 日本法令
<*1>例外は、年次有給休暇といってもよく、文字どおり、有給で休暇を取ることができる労働者に認められた権利です。
<*2>民法536条2項と労基法の休業手当に規定する「使用者の帰責」は、労基法の帰責の方が経営上の障害も含まれており範囲が広くなっており、民法の帰責に該当すれば労基法の休業手当に該当する可能性は高いので、民法の帰責に当たれば、休業手当は支払わなければならないと思われる。
ノーワーク・ノーペイの原則=労働契約を結んでいても、労働者は働かなからければ賃金をもらう権利なし、むつかしく言うと、労務を提供しなければ賃金請求権がないというのが、明文の規定はありませんが、これが大原則です。
1、法に定めのある休暇等→有給・無給の定めはなく、ノーワークノーペイにより無給と解される
例として、労働基準法の産前産後の休業や生理日の休暇、あるいは育児休業法の育児・介護休暇については、労働契約そのものは解消はされてはいないのですが、労働契約上の義務が消滅していることとなって(これを「労働契約の中断」と呼ぶこととします)、労働者から言わせると、労働の義務のない状態になります。これは、先に述べた「労務を提供しなければ賃金請求権も発生していない」、いわゆる「ノーワーク・ノーペイの原則」が適用されることとなり、使用者の賃金支払い義務は消滅していることとなります。
したがって、産前産後休業・生理日休暇や育児休業休暇については、その権利を法律で認められたものではありますが、これら休みの間の賃金については、これらの法律で特に有給であるとの規定はない以上、ノーワークノーペイに原則によって、無給と解されています。このように、労働契約の中断については、これらの他にも、休暇等が法律上権利として認められるものがありますが、同様に<*1>賃金についてはなんら規定がなく(=有給か無給かの規定がない)、そのため、無給とされています。
ただし、労働基準法は最低の基準を定めていることなどから、休んでもうちの会社では給料をあげるよといっても、それはそれで結構なことで、就業規則や労働協約で有給としている会社もあります。
2、就業規則・労働協約により与えられた休暇等→無給・有給の取り扱いは就業規則等によるが、会社に帰責事由がある場合は払う必要がある場合も
法に定めのない慶弔休暇や会社の創立記念日、リフレッシュ休暇などの就業規則や労働協約で規定されている休暇については、賃金の有無の取り扱いもその就業規則等に従うことになります。
ここで注意しなければならないのは、労働契約の中断が会社に帰責事由がある場合です。民法536条2項で、使用者の責めに帰すべき事由によって労務を提供することが出来なくなったときは、労働者は反対給付(=給料)を受ける権利を失わないとあります。労働者の個人的な事故等の業務と無関係な事情が原因の場合は問題はありませんが、会社側にその原因がある場合は、使用者の責めに帰すべき事由があってということになりますので、この場合は、労働者はまだ賃金請求権があることになります。
この規定は、任意規定とされていますので、就業規則等でこの場合でも賃金を支払わないことを規定すれば支払わないよと言うことはできます。
ただし、その場合でも、このように使用者に帰責がある場合<*2>は、労基法の「休業手当」は必ず支払わなくてはなりませんので、就業規則等の内容がどうであれ、平均賃金の6割以上は休業手当として、労働者に支払わなければなりません。(労基法13条)
これに対し、会社に帰責がない場合は、有給か無給かを、全く自由に、会社の判断でどちらでも選ぶことができます。
参考 労働法実務講義 大内伸哉著 日本法令
<*1>例外は、年次有給休暇といってもよく、文字どおり、有給で休暇を取ることができる労働者に認められた権利です。
<*2>民法536条2項と労基法の休業手当に規定する「使用者の帰責」は、労基法の帰責の方が経営上の障害も含まれており範囲が広くなっており、民法の帰責に該当すれば労基法の休業手当に該当する可能性は高いので、民法の帰責に当たれば、休業手当は支払わなければならないと思われる。