思うがままに

Step by Step

霧の中の風景

2011-02-21 | 映画・ドラマ

1988年

Wikipediaより
アテネの母子家庭に育った12才の少女ヴーラと、5才の弟アレクサンドロスは、父親の名前も顔も知らない。
父親は隣国ドイツにいるという母親の言葉も、大いに疑わしい。
それでも、父に一目会うことが唯一の願いである姉弟は、雲が重く垂れこめる冬の日に、金も持たずに国際列車に乗り込んだ。
資本主義の波に翻弄される70年代ギリシャの世情を背景に、現実と非現実の狭間のような旅路を辿る姉と弟。
旅芸人の中古バスやトラックに便乗し、時に過酷な試練を受けても、二人はひたすらにドイツを目指す。
だが、国境の存在を知らない姉弟が辿り着いたドイツは、深い霧に覆われていた。


HDDに溜まったままの映画を観る
「霧の中の風景」タイトルがいかにもヨーロッパ映画らしい
ドイツにいる父親に会いたいという願いを叶えるために旅に出る二人の姉弟
殆ど会話のない二人、そして冷めきった映像と哀しみを湛えた音楽が全編を流れて行く
夜、ドイツ国境の河をボートで渡る二人
銃声が鳴り響く (撃たれてしまったのか?と思った)
深い霧に包まれた対岸に辿り着く
霧が薄らいだ
向こうの小高い丘の上に 大きな木が立っている
二人は木に向かって歩き そして、その木を抱きしめる

あの木が二人にとっての父親だったのだろうか?
果たせぬ夢に向かって旅立った二人が辿りついたその木
木を抱きしめたままの二人の遠景で映画は終わる
切なく哀しい しかし二人の後ろ姿がなぜか美しい

インビクタス/負けざる者たち

2011-02-21 | 映画・ドラマ


2009年

amazonより
クリント・イーストウッド × モーガン・フリーマン × マット・デイモン
ネルソン・マンデラ大統領の不屈の魂を描く、真実の物語

スポーツには世界を変える力がある。
人々にインスピレーションを与え、団結させる力があるのだ。
ほかの何かには、まずできない方法で。 ― ネルソン・マンデラ


それは、1995年のこと。
マンデラはラグビーのワールドカップで、国の恥とまで言われた南ア代表チームを初出場初優勝へと導いた。
そして、その勝利の瞬間、一国の歴史が永遠に変わってしまったのだ。
いったい彼はどうやって、この偉業を成し遂げたのか――?
誰もが驚くのは、これが実話だということ。そして、ほとんど知る人がいないこと。
イーストウッドは、この事実に人の進むべき明るい未来を見出した。
「インビクタス」 とは、マンデラが投獄中に心の支えにした詩の題名で、“征服されない”の意味。
私たちの前を行くイーストウッドの背中には、この詩の一節が刻まれている。
「私が我が運命の支配者、我が魂の指揮官」 ― これは、遠い時代の遠い国の物語ではない。
先の見えない混迷の現代でも、諦めなければ、我々の手で世界を変えることができると伝えてくれる、かつてない命を震わす感動作なのだ。

27年間、監獄に囚われ、釈放されて南アフリカ初の黒人大統領になったマンデラに扮するのは、『ショーシャンクの空に』 『ミリオンダラー・ベイビー』 の盟友モーガン・フリーマン。
他ならぬマンデラ自身が 「彼に演じてほしい」 と願い、本人も熱望した。
マンデラから不屈の精神を伝えられる南ア代表チームのキャプテン、ピナールには、汚れなき心が内面から輝く 『ボーン』 シリーズのマット・デイモン。


クリント・イーストウッド監督作品は殆ど外れがない
今作品もラグビーというスポーツを通じてマンデラの精神と通い合う人間を見事に表現した
1995年のラグビーのワールドカップは確かに南アフリカが優勝した
しかし、日本にとっての恥部はその時ニュージーランドに145点も取られて完敗したことだ
ラグビーで145点と言えばトライラッシュの一方的な内容
大人と幼児が試合をしているようなものだ
このワールドカップを殆どのラガーマンは屈辱と思っているだろう
しかし、今思えばそれが日本の実力でもあったわけだ
私はラグビーが大好き
これぞ スポーツ界の究極の競技ではないかとさえ思える
その点からすると、映画の中でのラグビーシーンはちょっと迫力に欠けるし、トライシーンもタックルも演技だと自然と分かってしまう
この辺りにもっと迫力ある生の姿があればもっと盛り上がった映画になっていただろう