高野長英と勝海舟ー医業から歴史は動く

高野長英は江戸後期の医者であり蘭学者で、シーボルトから医学、蘭学を学び江戸幕府の異国船打払令を批判して開国を説いたが弾圧を受けて亡くなりました。弾圧を受けているころ勝海舟は知人の紹介で高野長英に会っています。

「高野長英は有識の士だ。その自殺する一か月ばかり前に、横谷宗与、これはおれの知人だが、この宗与の紹介で、夜中におれの家に尋ねて来て、大いに時事を議論して・・・」（勝海舟「氷川清話」より）

勝海舟が会った当時は、高野長英は幕府に追われ危険人物であったけれど、勝海舟はこれと思う人物には会っています。この辺が勝海舟の面白いところで、世間体を気にせず人を大切にしています。医業は人の命を扱い時代の最先端を行きますが、幕末の頃も名だたる医師から多くの志士が影響を受けています。来年は明治維新から１５０年。人の命を大切にする医業から歴史は動くでしょうか。