「男たるものは決しておれの真似をしないがいい。・・・(略)・・・
おれというも無学にして手跡もようよう20余になって手前の少用ができるようになっていい友達なく悪友ばかりと交わったゆえよいことは少しも気がつかぬから7このようの法外のことをえい勇ごうけつと思ったゆえ親類、父母、妻子までいくらのくろうを掛けたかしれぬ。
肝心の旦那へは不忠至極をして、頭、取扱へも不断に敵対して、とうとう今のごとくの身のうえになった。
幸いに息子がよくって孝道してくれ、また娘がよくつかえて女房がおれにそむかないゆえに、まんぞくで、この年まで無難に過ぎたのだ。
四十二になってはじめて人倫の道かつは君父へつかえること、諸親へむつみまたは妻子下人の仁愛の道を少ししったら、これまでの所行がおそろしくなった。
よくよく読んであじおうべし。子々孫々まであなかしこ。」(勝小吉「夢酔独言」より)
息子は勝海舟。この数々の悪行の勝小吉があって勝海舟があるのでしょう。
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