党を作るなー勝海舟

「人を集めて党を作るのは、一つの私ではないかと、おれは早くより疑っているよ。人はみな、さまざまにその長ずるところ、信ずるところを行へばよいのさ。社会は大きいから、あらゆるものを包容して毫も不都合はない。
卑近の例だが、酒屋も餅屋も、慈善家も高利貸も、差別なく貸家に住まわせてよいと同じだ。大屋はただ家賃を取り、適当に監督すれば、それでよいのさ。世の中の事でもただ機会と着手と、この二つをさへ誤らなければ、なに物でも放任しておいて差支へはない」（勝海舟「氷川清話」より）
敵も味方もなく殿様であろうと町火消しであろうとどんな人でもわけへだてなく一人ひとりに対応した勝海舟らしい表現です。永田町では党のなかでゴタゴタしているようですが、ようは庶民の生活の中に入って一人ひとりの生の声を聞き行動していくことではないでしょうか。