仁淀川日記
土佐を流れる清流・仁淀川や、高知の自然、身の回りのできごと、日常の風景を写真で紹介




かつて父が、休耕田を利用してハナショウブ(花菖蒲)を咲かせていました。


種苗店から苗を買ったり、あちこちの花菖蒲園を訪ねて交換したりして種類と数を増やし、衣替えや梅雨時の季節にはテレビ局の取材を受けたりしていました。


沢山の花を咲かせたときは、蕾のものを大きな花束にしてご近所や知り合い、友人知人に届けていました。花が開いたものは切ってもダメなので、明日には開くくらいの大きな蕾のものを選び、彩りを合わせて花束にしていました。


ハナショウブは一つの茎に二つの花を付けます。上の花が終わる頃にすぐ下の蕾が開くので、終わった花は取ってやらないと、枯れた花が次の花に被さってしまいます。花の時期はおよそ1ヶ月ほど、その間はいつも畑に出かけては終わり花を摘むのが日課になっていました。


花が終われば株分けです。そのままでは密集して根が固まってしまい、新しい株が育ちません。この作業も結構大変でしたが、花の咲いているときにテープなどで印を付け、株分けの時にその花を欲しい人に別けてやっていました。
休耕田一杯に咲いて、お花見に来られる人達も増えた頃、何故か花の咲かない株が増えた年があり、そのまま、あっという間に全てが枯れてしまいました。


害虫にやられたのか、何らかの病気なのかはわかりませんでしたが、結局それ以上続けることもできず、父の花菖蒲園も閉園となりました。
今は、それらから株分けしたハナショウブが少しだけ、我が家の庭で咲いています。

[Photo : Nikon D700 / TAMRON SP 180mm Macro]

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