コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

右や左の旦那様〜

2022-03-27 19:22:00 | 政治
<今週のすぐに使える英語表現>
If Russia stops fighting, there will be no war.
If Ukraine stops fighting, there will be no more Ukraine.


ロシアが攻撃をやめれば、戦争はなくなる
ウクライナが戦いをやめれば、ウクライナという国はなくなる

3月25日https://twitter.com/kemohure
太田光「正義は人の数だけあるから、何が正しいなんて誰にも言えないんだよ」 オーストリア大使「我々は中立国であり(略)中立性について知っている。ただ、中立というのは、国際法の侵害に直面して、いかなる立場も取らないということを意味しない。犠牲者と侵略者の明確な区別を支持する」国連安保理

西の「ほんこん」東の「太田光」か。「ほんこん」は視ていないのでほとんどわからないが、「太田光」のコメントもたいてい拙い(まずい)。黙っときゃいいのに、と思う。

3月26日 小田嶋隆のツイッター
「正義は人の数だけある」って、言いかえれば「私には定見がありません」ということだぞ。もっと言えば「オレには善悪がわかりません」「オレは道徳を無視します」「オレは単に強い者に従うヘタレです」「オレはバカです」「オレは腐れ芸人です」という意味にもなる。あわれな人間だよね。

むろん、これらは芸人に限らず誰にでも大なり小なり思い当たることだが、TVで伏し目がちに言い澱みながらも、場違いな「正義論」を披歴する意味は、「オレは単に強い者に従うヘタレです」というメッセージ以外に見当たらない。

いや、太田光はTV芸人のなかでは反骨の毒舌で知られているという声もあろう。が、北野たけしや立川談志にはじめて会ったときの感激と緊張を語る太田光の動画を見ると、Netflix映画「浅草キッド」で描かれたように、深見千三郎という当時まったく売れていない浅草芸人に、夢中になって師事した北野たけしとは違うと思ったものだ。

先輩を立てることにやたら忙しげな他の芸人にも共通するが、敬意を払うとヨイショ、あるいは恐縮するの区別がつかない。つまり、上下関係とダチしかいない。それはそれぞれの勝手だが、それなら社会を政治を正義を語るべき必要はないはずだ。

理系の人が研究室や実験といいますが、そこらの学生がやる意味があるんですか。二流三流大学の研究とは、既に発見されていることの単なる確認やトレースではないのですか?
https://jp.quora.com/

人文や社会科学系にはあまりピンとこないところが寂しいが、大学の研究予算の「選択と集中」政策がどれほど「非科学的」か。実利をもたらす研究を「選択」して予算を「集中」させればよいとは、「当たる宝くじを買えばよい」に等しい与太話だとよくわかる回答だった。

しかし、そんな「選択と集中」を押しつけられて、研究や科学の専門家たる大学人が唯々諾々と従ってしまう疑問への回答は書かれていない。

(敬称略 止め)


リッケンのフエルワカメちゃん

2022-03-18 00:52:00 | 政治
立民・泉代表、ゼレンスキー氏演説前に「首脳会談と共同声明が条件」
https://news.yahoo.co.jp/articles/06131655bec5112b19edc1ad1dee59d9ca9fc248

他国指導者の国会演説は影響が大きい。私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。

いったい、何がいいたいのか意味不明です。これはもちろん、先のアメリカ議会でのゼレンスキー演説を踏まえての発言だからです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカ議会でオンラインの演説をするなかで、ウクライナへのロシアの侵攻を、9.11のアメリカ同時多発テロや日本軍の真珠湾攻撃を引き合いに出して、満場のスタンディングオベーションで応えられました。

立憲の泉代表は、2001年の9.11と1941年の真珠湾攻撃と2022年のロシアのウクライナ侵攻を同じように扱われることに異議があるのでしょう。

日本は違うと彼は思い、日本政府や国民もそう考えていると思うからこそ、ゼレンスキー大統領の日本の国会演説に、「(国民と国益への)影響が大きい」と難色を示したのです。

それでも演説させるのなら、事前にその発言内容をチェックし、日本側の同意と「共同声明」の縛りが必要だと岸田首相に要求しているのです。

ゼレンスキー大統領も日本の支持と支援に感謝し、引き続きより一層の助力を求めているはずだから、当然のことだろうというわけでしょう。

ならば、起立拍手してゼレンスキー演説を讃えたアメリカ議会に向けても、「同列視は心外」と釘を刺せばよかったのに、断固たる口調ながら言葉を濁したのです。

私は、立憲の泉代表のようには考えません。今回のロシアのウクライナ侵攻がナチスドイツに擬せられる以上に、日本が中国大陸へ侵攻したやり口にも酷似していることを知るからです。

「プーチンは気が狂ったのか?」という声をよく聞きますが、プーチンが「気が狂った」のなら、ヒトラーも東條英機も「気が狂った」ことになります。

ヨーロッパ諸国はナチスドイツの侵略を記憶し、中国をはじめアジア諸国は、日本の侵略を記憶しています。そのやり口は、ほとんど同じです。

国土を防衛するため、自国民を保護するため、そう侵攻を正当化し、偽情報に基づき、被侵略国を責め、領土の割譲を迫り、傀儡政権を樹立する。

「狂気」は人それぞれですが、「侵略」は同じ顔をしています。だから、「侵略」と呼ばれるのです。

たとえば、中国人をはじめ、アジアの人々に、私たち日本人は、ゼレンスキー大統領が真珠湾攻撃の日本と、9.11テロや今日のロシアのウクライナ侵攻を一緒くたにしたことで憤慨していると言ってご覧なさい。

はたして、「そうだ、日本とは違う」と同意同感してくれるでしょうか?

立憲の泉代表の意図とは違いますが、私もゼレンスキー大統領の国会演説はなるべく避けた方がいいと思っています。

ドイツやイギリス、アメリカに続いて、日本の国会でゼレンスキー演説が行われることは、日本の国際的な地位や影響力を高める絶好の機会です。しかし、その反対の結果も想定されるからです。

ゼレンスキー演説に注文をつけたいという立憲の泉代表の発言もその一つですが、国際的な恥を晒すことになりはしないかと懸念しているからです。

ゼレンスキー演説は、イギリスやドイツの国会などで行われたときは、同時通訳者が泣き崩れたり、涙声になったりするほど感動を呼び、名演説と議員たちから拍手喝采を浴びています。

日本の国会ではどうなるか、容易に想像がつきます。

感動を呼ぶどころか、居眠りしたり、スマホを眺めていたり、雑談したり、ヤジを飛ばしたり、感想を求められれば、頓珍漢な所見を述べたり、早く降伏した方がいい、と冷笑したり、だから、核兵器を放棄すべきじゃなかったんだと息巻いたり、そんな反応が予想されます。

そうした国会議員たちの映像が世界配信されれば、ウクライナだけでなく、世界の人々をがっかりさせ、欧米諸国からは侮りを受けるだけです。これが強面のプーチンなら、みな襟を正して聞くはずですが。

さらに、ゼレンスキーはけっして同情を買う「物乞い演説」をしないと考えられます。ドイツでもイギリスでもアメリカでも、不十分な経済制裁などについて具体的な事例を挙げて、手厳しく批判しています。

立憲の泉代表が危惧するように、日本国民と国益に大きな影響を与えることを言うでしょう。たぶん、相変わらずロシアから海産物やエネルギーを買い続ける日本を批判し、しかし、かつての「侵略国」から立ち直った日本を讃えるでしょう。

それが、「国際社会」の「常識」だからです。議場が騒然となるのが目に浮かぶようです。

(止め)






言葉の綾や

2022-03-13 19:51:00 | ノンジャンル
労働者階級の子供は芸能人にもサッカー選手にもなれない時代
https://news.yahoo.co.jp/byline/bradymikako/20150226-00043362

芸能界は吉本の天下、野球には中田翔はいるし、日本ではまだそこまではと安心したいのだが。

ウイリアム王子、正直にもほどがある
#ICYMI: Prince William said it's rather normal to see war and bloodshed in Africa and Asia but not Europe, during a visit to the Ukrainian Cultural Centre in London today. "It's very alien to see this in Europe. We are all behind you," he told the volunteers there.

#ICYMI: ウィリアム王子は、今日ロンドンのウクライナ文化センターを訪問した際、アフリカやアジアで戦争や流血を見るのはむしろ普通だが、ヨーロッパではそうではないと語った。"ヨーロッパで見るのはとても異質だ。私たちは皆、あなた方を応援しています」と、そこのボランティアに語りかけた。

東京高等裁判所の平田豊裁判長の名判決文。中高の教科書に掲載すべき、「論理国語」です。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220311/k10013525951000.html

でもさ、民放のどこかのニュースでは、これを「裁判長は原告に幸せになってもらいたいと語りかけました」と要約したから、(何を呑気な!)と最初は
平田豊裁判長に舌打ちしたのね。

『旧優生保護法による手術は幸せになる可能性を一方的に奪い去るものだ』などと言われることがありますが、子どもをもうけることが出来ない人も、個人として尊重され、ほかの人と平等に、幸せになる権利を有することは言うまでもありません。

手術が違憲・違法なものであること、その被害者に多大な精神的・肉体的損害を与えたことは明確にされなければなりませんが、この問題に対する憤りのあまり、子どもをもうけることのできない人たちに対する差別を助長することとなり、その人たちの心情を傷つけることはあってはならないと思っています。
報道などの際にも十分留意していただきたいと思います。


(止め)

日本の報道不在

2022-03-08 22:46:00 | 政治
ツイッターから転載

#Swiss #journalist Guillaume #Briquet wounded and hospitalized in #Mykolaiv region, South-East Ukraine 🇺🇦.

#Russian #military fired at his car marked PRESS, confiscated his passport, 3,000 euros in cash, a laptop and additional material.による英語からの翻訳#Swiss

#journalistギヨーム#Briquetが負傷し、ウクライナ南東部の#Mykolaiv地域に入院🇺🇦 。

#Russian #military PRESSと記された彼の車に発砲し、パスポート、現金3,000ユーロ、ラップトップ、および追加資料を没収しました。




彼の写真を見てください。どう見ても60歳を過ぎています。胸のpressカードにはアラビア語も併記されています。つまり、中東の戦地も経験した戦争報道のベテランです。

日本のメディア記者は最前線にはいません。これは何も今回のウクライナ戦争に始まったことではなく、昔からそうですが。

YouTubeでは、「press‼︎」と何度も叫んでいるのにロシア軍から執拗な銃撃を受けて、悲鳴を上げながら車の中で身を伏せているイギリスの記者たちの動画が上がっています。

ウクライナの地方都市では侵略して占領しているロシア軍の前に出て、数10人の市民たちが集まって抗議している動画もあります。武装したロシア兵に徒手空拳で対峙しているのです。何という恐ろしいデモでしょうか。

ロシアでは5,000人規模のデモが行われ、数千人規模で逮捕されているそうです。これもツイッターからの転載です。

ホドルコフスキー、チェスのカスパーロフ、経済学者、実業家らがロシア反戦委員会を結成し、「全ロシアが戦争に反対する」というデモを呼びかけている。「集まるのは危険だ。だが、爆弾を浴びている人々はもっと危険だ」「護送車の人数が多ければ多いほど、ウクライナで死体の数が減るのだ」と。


ちょうど、戦争によって武器や兵器が進化し、科学技術が発展するように、戦争の悲惨は文化と芸術を押し上げるようです。人間の精神の到達点を示してくれる、魂の在り処を教えてくれると言い換えてもいいのですが。

魂がどうのこうので締めては柄にもないので、お金の話を。

プーチンは戦死(あくまでも「特別軍事行動」であって、ウクライナと戦争していると報道したりすると、虚偽を流したと処罰できる法律に大統領署名したそうです)した兵士に、11,000円(相当のルーブル)の慰労金を支払うそうです。これに対し、ウクライナ政府は降伏したロシア兵に、500万円(相当のドル)支払うと発表したそうです。世界中から募金が集まっているからですね。

孫正義が100億円、三木谷が10億円、ウクライナのために拠出したそうで、一般国民からも続々、ウクライナ大使館や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に募金が寄せられているといいます。NHKや民放がウクライナ支援デモや反戦デモを、連日報じているせいでしょう。

まったく結構なことではありません。デモといえば、この国のネット民は、「プロ市民」と悪し様に罵り、過激派と呼び、お花畑と嘲り、出くわせば傍迷惑と舌打ちしてきました。

マスコミも、たとえば、沖縄の反戦デモや原発反対デモ、核兵器廃絶デモなど、あらゆるデモや集会をほとんど無視して、報道してきませんでした。安倍首相が遊説したとき、「安倍帰れ!」とヤジを飛ばした数人を警察が排除しても問題にすらしませんでした。

いったいどういう風の吹き回しでしょう。最近はそういうのが流行っているのでしょうか?

(止め)




日曜討論

2022-03-06 14:38:00 | 政治

シェルターの床で寝るキエフの子供たち

TV受像機がなくとも受信料を取ろうしているNHKをはじめ、「ウクライナはすぐに降伏してNATOはプーチンに譲歩せよ」、「日本はアメリカと核共有を」などと放言する橋下徹などの無責任なコメントでニュース番組をつくっている民放は、戦地ウクライナに記者を残していない。

60歳を越えた元モスクワ支局長の金平茂紀を「報道特集」のために派遣したTV朝日は少しはマシだが、CNNやBBCなど欧米のメディアは、イラク戦争時と同様に最前線に記者たちを送り、ロシア軍の銃弾に身を伏せながら取材を続けている。

嫌味として繰り返すが、NHKをはじめ民放各局は、彼ら欧米のジャーナリストたちが命がけで撮ってきた映像や情報を買って流しているに過ぎない。したがって、最新の生の情報に接する機会は我々には限られている。

そんな情報の空白を補うには格好なウクライナの日本語ポータルサイトができていた。

ウクライナのマルチメディア報道プラットフォーム
https://www.ukrinform.jp

プーチンのロシアが「興国」を果たした中国に比べて、「再興」どころか、経済的には衰退の一途を辿ってきた責任の一端は、西側にもあるのだという論考である(その結果、ロシアの国防予算は韓国並みに過ぎない)。

非専門の地理学者でも、これくらいバランスのとれた論説が書けるところが、いまだに欧米の知性や読者の理性を仰ぎ見るところだ。

そうか、欧米の新自由主義者たちの食い物になったのか。トヨタがロシアに初の工場新設を発表をしたとき、プーチンがいかにも嬉しそうに豊田章男社長と握手していた姿が思い出される。

ウクライナ侵攻に関する英国の地理学者デヴィッド・ハーヴェイの論説https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2022-03-02

キッシンジャー98歳にして、この冷徹な現状認識と展望には舌を巻く。「誰かの満足ではなく、バランスの取れた不満を目指せるかが重要」(これは外交に限らず民主制の基本でもある)。

8年前の提言だが、「ウクライナはロシアと欧州の橋渡し役になるべき」とは今後もさらに必要な視座だろう。東西どちら側に属しても、「ウクライナが争いの最前線であることに変わりはないからだ」。

併せて、91歳ゴルバチョフ氏の「早急な平和交渉を」というアピールも、メディアや研究者とは一味違う政治家ならでは有益な言説がある。



キッシンジャー “8年前の提言” 「ある原則」の欠如がウクライナでの対立を深めるだろうhttps://news.yahoo.co.jp/articles/7f30e1b12317627d7ac313ab902db954a7496eda

世界のいろいろな知性が勇気を奮って核戦争を止めようと人々の理性に訴えかけているときに、情けないことに日本では、理性と勇気を投げ捨てた知性のニュースを見かけた。個人的には、「金沢大学ってそゆところだよ」と驚かなかったが。

金沢大学が准教授に「不可解すぎる懲戒処分」…いま名門大で起きている「異常事態」の全容https://news.yahoo.co.jp/articles/f87f5ced8b35c39af89df2f789c2b0f9d30f9c2c

(止め)