コタツ評論

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日本語の内と外

2020-08-30 11:51:00 | 政治
安倍首相の突然の辞任を受けて、TVニュースは称賛記事のオンパレードですが、もちろん日本語の外ではそればかりではありません。



「日本で最も長く首相を務めた安倍晋三氏が起訴を逃れるため辞任」
Japan’s Longest-Serving PM, Shinzo Abe, Quits in Bid to ‘Escape’ Potential Prosecution
https://www.thedailybeast.com/author/jake-adelstein

弁護士海渡雄一さんのfacebookに翻訳が出ています。
https://www.facebook.com/people/Yuichi-Kaido/100012434656292

森友・加計事件、桜を見る会、河井夫妻事件など、現在、公訴・公判中の事件から、黒川検事長定年延長問題、側近中村格刑事部長による側近記者のレイプ捜査打ち切りまで、主だったスキャンダルに言及しています。

また、政策面の「実績」とされる、アベノミクスの失政はもちろんのこと、アベノマスクに象徴されるコロナ対策の失敗のほか、「SF映画「マイノリティ・リポート」を彷彿とさせるような極悪非道な共謀罪法」や「マスコミや内部告発者を黙らせる抑圧的でオーウェル的な特定秘密保護法と平和安全法制」と法制改革も一刀両断。

触れていないのは2度の消費税増税と外交くらい。外交の成果については耳を塞ぎたくなるような評価になるでしょう。日本のマスコミ記者と同じ職業とはとうてい思えないほど、さらに容赦がないのが最後の段落です。

たぶん、安倍首相がもっとも嫌がるはずの追い打ちをかけて締めています。

2007年までの悲惨な任期を経て、2012年から、2期目の就任となった。彼が再浮上できたのは、右翼神道カルト「日本会議」の支援があったからで、安倍氏がやめた後も長く国会で大きな力を発揮し続けるだろう。

歴史を記憶していない者は、歴史を繰り返す運命にあるという。安倍総理の愚行の根源は、戦犯の孫であり、第二次世界大戦で日本が犯した残虐行為を認めない歴史修正主義者として知られていることにあるのかもしれない。彼は過去を否定しようとするのに精一杯で、安倍は自分の歴史から学ぶことすらできないようだ。彼の人生は再放送だ。

彼は、2007年に、取り巻きのスキャンダルに振り回されながら、仕事ができず、人気がなく、無能とみなされ、辞任しなければならなかった。今回も、このときとほとんど同じような状況で辞任した。彼は惜しまれることはないだろう。


臆病な少女から意思ある大人の女性へ…声明文を発表した大坂なおみの“本当の気持ち“https://news.yahoo.co.jp/articles/4ce79f99fdfb83af6222a05a455bfb3b65b9464e



さて、「口直し」といっては語弊がありますが、安倍首相とは対照的に、日本語ツイッターなどでは罵倒が圧倒的に多いものの、世界的には称賛を浴びている日本人の記事です。

(止め)

原発推進の踏み絵

2020-08-29 21:20:00 | 政治


連合 神津会長 「原発ゼロ」の表現 使わないよう求める
2020年8月27日 21時10分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200827/k10012587121000.html

「『原発ゼロ』のことばが1人歩きすると、原発が悪いことのような誤解が広がる」
「いまそこで働いている人のことを忘れてはならず、新党の政策論議などでは表現の置き換えを徹底してもらいたい。発言の際には『原発ゼロ』を使わないでもらいたい」

立憲民主党と国民民主党が合流して新党を結成する際、その新綱領に『原発ゼロ』を載せてはならない。もし、『原発ゼロ』を綱領に入れるなら支持しないと枝野代表に「厳命」したといえる。日本最大の労組代表の神津会長は、日本に『原発ゼロ』の選択肢はないといっているわけだ。

その理由として、『原発ゼロ』では「原発が悪いことのような誤解が広がる」として、「いまそこで働いている人のことを忘れてはならず」と労働者への配慮を欠くからだそうだ。あたかも、言葉や表現の問題であるかのようだが、もちろんそうではない。

3.11の福島原発事故を経験した民主党時代から、連合という大手労組の支持を当てにする限り、国民政党には成り得なかった。連合が反対する『原発ゼロ』や『消費税廃止』については口にすることさえ憚られ、「稼働原発の見直し」や「消費税率の低減」などを議論することもできない。

消費税減税とか言うなとか、何が言うなだよ(立憲民主党を離党した須藤元気参議院議員)

世界を見渡せば、『原発ゼロ』は趨勢とさえいえ、エネルギー源の「脱原発」への取り組みや議論は先進各国で活発に行われている。消費税減税もまた然りである。曲がりなりにも「国民政党」である自民党においては、「脱原発」や「消費減税」などの議論そのものが禁じられることはない。

原発推進、もしくは現状維持などを連合が指針とするなら、その具体的な政策論を立憲民主党や国民民主党と議論を交わすべきであり、「誤解を招き、配慮を欠く」という「言葉の問題」に「矮小化」しておきながら、「要望」として「原発推進」の踏み絵を迫るという「極大化」はとても真っ当な姿勢とはいえない。

経団連会長が就任のたびに、「国民の痛みを伴う改革」を政府の求めるのと好一対ではないか。その分際を越えて国民に注文を付ける経団連会長と、国民の合意がいまだ形成されていないはずの原発稼働問題について、公党の議論さえ封じる労働界トップを戴く理不尽に、枝野代表はただうなだれるばかりのようだ。

その一方、労働者の40%を占める非正規雇用や正規であっても中小零細企業雇用者、零細自営業の利害を代弁してくれる政党や組織はほとんど皆無といえる。もはや、ファシズムだけが希望ではないか、いや、冗談ではなく。

(止め)






今夜は、DTBWB

2020-08-16 23:54:00 | 音楽
以前にも特集していますが、どうせリンクが切れているでしょうから。

Down Town Boogie Woogie Band というより、宇崎竜童バラッド&作詞でまとめました。宇崎竜童より歌える人はたくさんいるでしょうが、宇崎竜童のようには歌えないでしょう。阿木燿子は阿久悠と似てあざといところが敬遠したくなります。LIVE動画ではないので、URLを記します。 

しのび逢い
https://www.youtube.com/watch?v=w_d9XdUVpyE

といいつつ、のっけから阿木燿子作詞ですね。

恋のかけら
https://www.youtube.com/watch?v=TfmD8_9VSZU

伊東ゆかり「恋のしずく」、玉置浩二「恋の予感」と並ぶ名歌です。

涙のシークレット・ラヴ
https://www.youtube.com/watch?v=IXB30uBLDNY

紫のカローラレビンのシャコタンを転がしていた頃、ウルフカットの彼女が8トラックのカセットテープで聴いて涙ぐんでいたっけ(ウソ)。

裏切り者の旅
https://www.youtube.com/watch?v=h4whOxwnZk0

「ひび割れた鏡のなかに、裏切り者の顔があるのさ」が割れ声によく合っています。代表曲のひとつでしょう。

昭和元禄ダンチョネ節
https://www.youtube.com/watch?v=1JS8VrVzy30

今回、はじめて見つけました。「軍歌にはぞっとする」「戦争ごっこ」に同感。

ハッシャバイ・シーガール
https://www.youtube.com/watch?v=wBXrLMtP8jo&list=PLC9DB95557AAE11ED

三菱銀行人質事件を起こして射殺された梅川昭美をモデルにした1982年の映画『TATTOO<刺青>あり』の主題歌です。これも阿木燿子かあ。

(止め)



どっちやねん

2020-08-12 23:01:00 | ノンジャンル
ノーベル賞受賞医学研究者の山中伸弥さんが半生を語る「人間万事塞翁が馬」です。

「平成27年度近畿大学卒業式」iPS細胞研究所 山中伸弥教授メッセージ


父親の病気を治したいと当初は臨床医を志すが、外科医の現場では「じゃまなか」と呼ばれるほど無能で指導教授から毎日のように叱られていた。自信を失って医学研究者の道に転身し、アメリカへ留学してからは研究者として自信を持つことができたが、帰国してみると日米の研究環境の違いからか、実験動物のネズミの世話をするばかりの研究生活に自信を失いはじめ、やっぱり臨床医に戻ることを考えるようになった。うまくいかなくなると、逃げ出すことの繰り返しだった。

なるほどなあ、ノーベル賞を獲るようなエライ先生でも、自信を失って何度も逃げ出したり、自分と変わらぬヘタレの人だったんだなあと安心していると、↓のような話も出てくる。



いったい、どっちが本当なのかといいたくなりますが、「留学先で出会った」がミソかもしれません。アメリカの研究環境が山中教授の肌に合った、あるいは日本よりも格段に優れていたのかもしれません。小保方さんのSTAP細胞事件でも、理研の無責任と冷たさは印象に残りました。

京都大学iPS細胞研究所所長・教授としてマスコミ露出することから、京都大の印象が強いが、神戸大学医学部卒、大学院は大阪市立大学薬理学、奈良先端科学技術大学院大学で研究職に就くなど、「傍流の人」であることは違いない。ノーベル賞をとらなければ、京大教授なんてあり得ない人である。

そして、たぶん今でも、東大をはじめとする主流からは、軽んじられているように思う。小保方晴子さんと山中伸弥さんは、どっちがどっちであってもおかしくなかった。当初、山中伸弥さんは小保方さんの研究を評価し、「後輩」としてかばっていたのも印象的だった。

中2で起業、高1で母校買収した慶応生の正体
仁禮彩香「私たちが日本の教育を変えていく」

https://toyokeizai.net/articles/-/367260?utm_campaign=MKtkol_moments&utm_source=twitter&utm_medium=social

香港の民主化弾圧でわかるように、中国には官製メディアしかないわけだが、人民網などでは日本の「教育」を見習うべき手本として称賛することが多い。つまり、中国がうらやむほど、日本の「教育」は従順な国民づくりに寄与していると言い換えることもできる。

(止め)