ヘビー級3団体統一王者のアレクサンドル・ウシク(上写真右端)もウクライナ 軍に入隊したそうだ。元ライト級団体統一王者のワシル・ロマチェンコ(下写真左)もすでに入隊済みという。
二人とも、ボクシングファンなら不世出のボクサーであることをよく知っているが、写真に写る様子は「徴兵」された、歳を食った「補充兵」のようだ。少し不安げなその傍らに、威圧的で屈強な男たちが立っている。彼らはいかにも右翼タカ派の民族主義者のように見える。
ウクライナ侵攻をロシアのテレビで見る まったく別の話がそこに
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60614298
ロシアのTVニュースではTV塔を攻撃しているのは、ロシア軍ではなくウクライナ軍だそうだ。ネットが洗脳装置として有効であることはよく知られているが、反戦の輪を広げるなかで好戦的気分も醸成している。反ロシアにいきり立つということだけでなく、ウクライナ軍の善戦やその国民の奮闘に、同情を越えて陶酔してしまうこともまた危険なものだ。
人が殺し殺される悲惨な現実からも、ドキドキワクワクウットリするアニメのような場面を見出すことはできる。俺がアニメを好まない理由が、世代的に遅れたというだけでなく、その暴力的なまでの扇情性に逡巡していたことが今回よくわかった。
中国ネットはウクライナ侵攻支持 「ロシア転覆なら矛先は中国へ」
https://www.sankei.com/article/20220302-XSZQO3TNOFLLLCTX6ABV6CV56I/
「国際社会」は中露の覇権主義や恫喝的姿勢に不安と恐怖を感じて、プーチンや習近平の言動に注目してきた。ところが、彼ら中露は欧米の軍事力以上に民主主義の「侵攻」に怯えてきた。彼らの方がより「被害者意識」が強いからこそ、中国ネット民は、プーチンのウクライナ開戦演説に、「感動」するわけだ。
ちょうど、かつての日本人が「米英二開戦セリ」というラジオ放送を聴いたとき、朝野こぞって、「暗雲を吹き払って青空を仰ぐような晴れやかな気持ちになった」(竹内好)と同じである。経済制裁、外交圧力、国際的批判など、非軍事的な圧力が、軍事行動以上に有効であることをあらためて証している。
中露の指導者は共にソ連崩壊という直近の実例から「亡国」を学び、中国はその後31年を経て「興国」を達成したが、プーチンのロシアは「再興」を果たせなかった。それは31年中22年間を独裁してきたプーチンの責任ではなく、何より欧米の経済制裁、外交圧力、国際的批判などによる抑圧のためとするのだ。
ロシア国営通信が「勝利記事」の予定稿を誤送信! その署名記事でバレた「プーチンの真の狙い」
https://courrier.jp/columns/280659/
手の込んだロシアのディスインフォメーションかと思ったが、どうも本物らしい。あるいは、誰かが故意に誤送信したのかもしれない。いずれにしろ、プーチンのルサンチマンがどういうものか窺い知れる。
(止め)