コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

降参した歌 10

2009-12-24 01:38:00 | 音楽
今夜は、薬師丸ひろ子特集。
佳人とは、こういう人をいうのだろう。
美しく透る声を堪能してほしい。
しかも、まぎれもないLIVEの歌手である。
一流の作曲家や作詞家の名曲ぞろいも頷ける。
歌姫(ディーバ)と認めたからだ。
ついでにいえば、メイクアップアーティストや
ヘアスタイリスト、衣装デザイナーたちが、
薬師丸ひろ子という素材に魅せられているのがわかる。
才能とは、他の才能を引き寄せる力のことをいう。

時代
http://www.youtube.com/watch?v=Q2rBz_0owao&NR=1

メイン・テーマ
探偵物語
http://www.youtube.com/watch?v=0po-a6ECbAI&feature=related

Woman~Wの悲劇より
http://www.youtube.com/watch?v=VwyJotc53MI&feature=related

セーラー服と機関銃
http://www.youtube.com/watch?v=myzJtKYWqDo&feature=related

紳士同盟
http://www.youtube.com/watch?v=PpD3miFOWpk

ハート・デリバリー
http://www.youtube.com/watch?v=JS-z5AmV99k

胸の振子
http://www.youtube.com/watch?v=G3kyzjcSuog&feature=related

ステキな恋の忘れ方
http://www.youtube.com/watch?v=DuwEOkUw5pc&feature=related

手をつないでいて
http://www.youtube.com/watch?v=cCCOnWQn4Qs

風に乗って
http://www.youtube.com/watch?v=uGtiv_M7idI

元気を出して
http://www.youtube.com/watch?v=ky8aDbdSZc0

スロー・バラード
http://www.youtube.com/watch?v=Y5CwqDscXF8

語りつぐ愛に
http://www.youtube.com/watch?v=7GUjHjijOJ8&feature=related

終楽章
http://www.youtube.com/watch?v=O_ommC9Ht_k
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言論の自由の見本

2009-12-22 23:48:00 | ノンジャンル


このところ、映画も観られず本も読めず、おまけに歯医者にも行けない日々だが、それも後一週間。手抜きで申し訳ないが。

読売の「編集手帳」を読むのが、最近は楽しみのひとつになりつつある。これほど、「突っ込みどころ満載」なコラムもそうはない。健筆を祈る。

12月22日付 編集手帳
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20091221-OYT1T01609.htm

〈高飛車な物言いをするとき、女はいちばん誇りを失(な)くしているんです〉とは、三島由紀夫の戯曲「葵上(あおいのうえ)」でヒロインが語る言葉である。男も同じだろう。威厳をみずから強調するとき、たぶん、誇りは傷ついている◆最終的な結論は私が判断して決める――このところ、鳩山首相おハコのせりふになりつつある。政府対応の最終権限が首相にあるのは言うまでもないことで、それをあえて口に出して言わねばならないところがつらい◆読売新聞の最新の世論調査で、内閣支持率が55%に下落した。朝日新聞は48%、毎日新聞は55%、各紙調査とも3か月前の政権発足時には70%台の支持率があったことを思えば、有権者のなかに「がっかり」の声が音量を増しているのは確かだろう◆「普天間」で刻まれた“決断できない人”の印象に加えて、政権の頭脳中枢が官邸の首相執務室にあるのか、民主党本部の幹事長室にあるのか、判然としないことも支持率に響いている◆「この私が決断する」と威厳を取り繕う首相は気の毒である。「ホントに? あなたが?」と疑わねばならない世間の心情はもっと気の毒である。

>高飛車な物言い

鳩山首相が物を言うとき、高飛車という印象を抱く人がいるだろうか。文言ではなく、言い方として。麻生前首相のほうがよほど、高飛車な応答をしていたが、そのとき、「編集手帳」氏は指摘したのだろうか。

>「普天間」で刻まれた“決断できない人”の印象

優柔不断な人が高飛車に物言う? 一度、見てみたいもの。いずれにしろ、印象を2つ重ねると実体に近づくものなのか? 高飛車なアメリカの合意実行の物言いに対し、「普天間」で決断しないことを決断したと鳩山首相は言明したし、誰が見てもその通りだろうが。

>政権の頭脳中枢が官邸の首相執務室にあるのか、民主党本部の幹事長室にあるのか、判然としないことも支持率に響いている

「響いている」というのも、印象。これで印象3つめ。もしかして、印象批評のつもりなのか?小林秀雄が草葉の陰で泣いているだろうな。ではいったい、「編集手帳」氏はどう考えているのか。政権の頭脳中枢が官邸の首相執務室にあるべきか、あるいは民主党本部の幹事長室にあるべきなのか? それとも、そのいずれでもなく、霞ヶ関にあるべきなのか。自分の考えを述べず、国民の考えを代弁しているつもりなのか。それ以前に、言葉が、文章がデタラメじゃないか。「頭脳中枢」ってな何だ? いったい、どこの世論調査で、「政権の頭脳中枢の所在云々」という設問がなされたのか、あるならお目にかかりたいものだ。さらに、目に見えないものをどこにあるかと聞くことのおかしさに気づかないか。誰にも見えない「頭脳中枢」が一カ所にあって、上意下達する仕組みを全体主義国家と呼ぶのだよ。

三島由紀夫の言を引き、世論調査の結果を引いて、不確かな印象を3つ重ね、これでは国民が気の毒である、と結論する。自分の考えや言質はどこにも残さない。しかし、国民の陰に隠れて、陰湿な印象操作はする。「言論の自由」を享受する者のある見本のように思える。それとは真逆な言論人の最近の記事を以下に紹介する。その意見に賛成か反対かは別にして、「言論の自由」の鞍部の高低を示し、言論に拠って闘う者の気迫をじさせる。自由を享受するとき、自由の責務を必ず負う。享受と責務の両方に、自分と他者宛てに、カーボンコピーが送られている。「言論の自由」の責務を果たそうとする者のある見本のように思える。

気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板
「私たちの指導者・小沢一郎の判断と行動が、すべてにおいて正しい。佐藤優氏の文章が他の何よりも優れている」。(副島隆彦)
http://soejima.to/

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ 『毒蛇山荘日記』
「天皇の「国事行為」と「公的行為」の憲法解釈について」
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/



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新聞の品格

2009-12-19 00:28:00 | ノンジャンル
私は外国に住んだ経験はないが、留学したり、赴任したり、外国居住経験のある知人を何人か知っている。彼らが異口同音にいうのは、日本のマスメディアの質の低さである。世界で何が起きているのか、何が問題とされているのか、次の情勢はどうなるのか、日本の新聞や雑誌を読んでいては皆目わからないというのだ。彼らの念頭にあるのは、もちろん、欧米のマスメディアである。そういうものかと思いながら、そうだろうかという疑問もあるが、私には検証する術(すべ)がない。私の眼には入らないが、どこかに真実に迫る報道をするマスメディアがあるという話に、悪い気はしない。どこかで誰かが正しい情報に基づく正しい判断をして、私たちの地球を守ってくれているのなら、極東のジャパニーズとしては、その誰かの後を従いていけばいいのだから、楽チンでもある。そんな呑気な気分を今朝の読売新聞の「編集手帳」が吹き飛ばしてくれた。日本のマスメディアが、低劣で、役に立たない、とはいったいどういうことなのか。最近のフィナンシャル・タイムズの記事と読み比べてみると、よくわかる。小学生に読ませても、高学年なら、どちらの記事が、「低劣で、役に立たないか」、直ちに理解できるだろう。いうまでもないが、「編集手帳」は朝日新聞の「天声人語」と並び、日本で最大部数を誇る新聞の代表的なコラムである。



12月18日付 編集手帳
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20091217-OYT1T01566.htm

歩行者用の信号に立ち止まり、はるか昔、小学校の理科の授業が頭をよぎるときがある。青に変わったらアルカリ(歩け)――液体や気体が酸性かアルカリ性かを判定するリトマス試験紙の色の変化を、そう教わった◆手品のように色が変わっていく様子に目を凝らした覚えがある。国の政策にも、「適切」と「不適切」を判定するリトマス試験紙があったならば、どんなにか便利だろう。外交・安全保障の分野に限れば、じつはある◆核をもてあそび、ひとさまに向けて弾道ミサイルを発射する隣国が喜ぶ政策は「不適切」と判定して、まず誤りはない◆朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の政府機関紙『民主朝鮮』が普天間問題をめぐる鳩山政権の対応を称賛したという。「沖縄住民はもちろん、日本社会の全面的な支持を得ている」と。日米両国を結ぶ信頼の絆(きずな)が弱まるのを期待してだろう。家の周囲をうろつく挙動の怪しい人物から、「その調子、その調子」と戸締まりを褒められてどうする◆“北朝鮮試験紙”の色の変化を見れば、鳩山政権がたどりつつある外交の道にともる信号は「赤」(止まれ!)である。
(2009年12月18日01時59分 読売新聞)

「日米関係、楽だった結婚が三角関係に変わってしまった」
フィナンシャル・タイムズ 2009年12月10日初出 フィリップ・スティーブンズ
http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20091216-01.html

(中略)
鳩山由紀夫代表率いる民主党の勝利は、自民党による約半世紀にわたる一党支配に終わりを告げ、日本政治に革命をもたらした。日本の政治権力が、アメリカの忠実な仲間だった自民党から対抗勢力に移ってしまったことの重大性を、米政府は把握しかねている。

自分たちを取り囲む地政学的な情勢変化にどう対応すべきか、両国の考え方は食い違ってきている。基地問題をめぐる議論はいわば、その食い違いの避雷針のようなものだ。日米両政府が直面する戦略課題は、台頭する中国の地域的野心をいかに抑制しつつ、いかに中国と関係を結んでいくかというもの。日米はこの同じ課題を抱えているのだが、実際にどうするかというのは難しい問題だ。

これまでの日米関係を形作ってきたのは、まずは進駐米軍による占領行為、続いて冷戦下での同盟堅持の必要性、そしてつい最近まで圧倒的に続いていたアジアにおける米国覇権だった。しかし世界は変わり続ける。日米夫妻の寝室にいつしか中国が入り込み、あんなに居心地のいい結婚生活がぎくしゃくした三角関係に様変わりしてしまったのだ。

50年も続く日米安保条約を破棄しろなどとは、誰も言っていない。米軍のプレゼンスと核の傘は、核武装した北朝鮮から日本を守っているし、近代化し続ける中国軍を前に日本の安全を保障している。さらにこの同盟関係を通じて中国は日本の意図を把握するし、同時にアメリカは東アジアに巨大な軍事的存在感を示すことができるのだ。

しかし日米同盟はそもそも、中国が台頭する以前の世界の心理状態をもとに作られたものだ。世界の現状と合わなくなってきていることは、基地問題の紛糾ぶりからも明らかだ。鳩山氏は、普天間の海兵隊ヘリ基地移設合意を再検討すると公約して選挙戦を戦った。そして鳩山氏は今のところ、その公約を守っている。おかげでワシントンは落胆しているのだ。

(中略)
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敵の評価はつねに正しい

2009-12-09 00:41:00 | ノンジャンル


7日夜のNHKニュースを観ていたら、鳩山首相の「囲み取材」の様子が映されていた。官邸前で、記者団に取り囲まれた、何本もの録音機能付き携帯の前で、質問に答えるというものだ。

この夜、かねて問題化している米軍の普天間移設について、鳩山首相は驚くべき発言をしたのに、キャスターは何のフォローもしなかったので、さらに驚いた。鳩山首相はこういったのだ。

「日米関係も大事。沖縄県民の思いも大事。連立の維持も大事。週明けには決断しなければならない」

日米同盟と沖縄県民の思いと社民党との連立の維持を、等価にした! 無責任な俺だってそんなことはいうどころか、思いもしない。

岡田外相が憔悴しきっているのに対し、鳩山首相は相変わらずのふっくら頬で、こんな思い切ったレトリックを繰り出す余裕があるとはたいしたもの。もしかすると、日本には過ぎた首相なのかもしれない。

鳩山首相発言の重大な意味を正確に受け止めたのは、メディアではなく、野党自民党でもなく、たぶん沖縄県民でもなく、やはりアメリカだった。「敵」の方が、「味方」より、正しく評価することがままあるのだ。

今日8日夜のNHKニュースでは、日米関係シンポジウムにおいて、普天間移設問題について、アーミテージ元米国務副長官の発言を紹介していた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009120800778

アーミテージは、その巨躯に似合いのスキンヘッドにそぐわぬおちょぼ口を歪めて、こういった。
「もし、来夏の参院選まで普天間移設問題を決着できないならば、日米同盟より連立維持を優先したと考えざるを得ない」

やはり、何の解説も抜きで、「報道の中立」「不偏不党」のNHKは報じたものだ。さらに、アーミテージは、こう凄んだ。、
「日本国民が安心して眠れるのは、米軍と自衛隊が守っているからだ。それなくして、日本国民は一日でも安眠できるのか」

06年に米CBSのニュース番組、「60 Minutes」に出演したパキスタンのムシャラフ大統領(当時)は、01年のアメリカのアフガニスタン侵攻に協力しなければ、パキスタンを「石器時代に戻す」ほど空爆するとアーミテージ米国務副長官(当時)から脅迫されたと告白した(Wikipedia アーミテージ)。

(敬称略)


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思い出の猫たち

2009-12-06 23:40:00 | ノンジャンル
9匹目の仔猫は、どうやら左目がダメかもしれない。目脂でふさがって化膿したのではなく、眼球そのものに膜が張ったように瞳孔を見ることができない。生まれつきの障害なのか、後天的な眼病なのか、たまにそんな眼の猫を近所で見かける。獣医に行かねば。そういえば、昔、片目のタヤンという白の雄猫がいた。やはり、目脂で眼がふさがり、ヒクヒクしていたのを連れ帰り、獣医に診せたところ、「膿んでますねえ」といって、若い獣医は腫れた瞼を親指で押しはじめた。仔猫はミギャーミギャー泣きわめく。化膿の具合を確かめているのだろうと思っていたのだが、やがて、ドロリと白い塊が落ちた。「ほら、たくさん膿が出たあ」「先生、それは眼じゃないですか?」「あれ? 目玉出ちゃったの」。獣医なんてのは、けっこういいかげんなのが多いし、とくに経験の乏しい若僧には気をつけなくちゃダメですよ。アノヤロー! というわけで、右目が赤い空洞となり、イスラエルのダヤン将軍にちなみ、しかし軽量級なので、「タヤン」と名づけた。後ろから、見えない右目のふちをチョンチョンと人指し指で突つくと、見える左目で見ようと頭をグルリと巡らすのがおもしろくて、ちょくちょく遊んでました。タヤンは何度されても後ろには気づかず、美しい水色の左目を右に回しては、「誰か触ったのになあ?」と不思議な顔をしていた。片目のせいでもないだろうが、何とタヤンは我が家のボス猫になり、他の5匹を従えていた。忙しくて、猫缶を選んで買う暇がなく、当時、一番安かった、たしか日魯漁業のMMIY(ミミー)缶詰ばかり与えていたら、タヤンが率いて全員が家出したことがある。家出といっても、雀が大騒ぎするので、所在はすぐにわかった。屋根の上に登っているのである。縁側から降りて猫たちの名を呼び上げると、何匹か庇の雨樋からニュッと顔を出す。「帰っておいで、ごはんだよ」というと、帰りたそうに首を伸ばすのだが、タヤンが顔を出して、「帰らないよ」という顔をする。近所の商店街の隅を縦一列になって、「歩いていたわよ」と前の焼鳥屋のおばさんが、タバコを買いに出た俺に、クックッ笑いながら教えてくれた。ときどき、我が家の猫に焼き鳥を与えているらしく、俺に馴れ馴れしい態度をする。魚屋で小鰺を一盛り買い求め焼いていたら、いつのまにか万年コタツの周りに、猫たちは帰っていた。耳が立ち、薄目がピクピクしているのが可笑しい。半日の家出だった。帰ってこなけりゃ、せいせいしたのに。次回はミルフルの巻。

(敬称略)

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