Dr内野のおすすめ文献紹介

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電子カルテは予後を改善するか

2015年05月28日 | ICU・システム
なんか、無理やりICUの部分を追加して、CCMに載せた感じがしなくもないけど、ちょっと面白いから許す。

Thompson G, O'Horo JC, Pickering BW, et al.
Impact of the Electronic Medical Record on Mortality, Length of Stay, and Cost in the Hospital and ICU: A Systematic Review and Metaanalysis.
Crit Care Med. 2015 Jun;43(6):1276-82. PMID: 25756413.


電子カルテ(正確にはそれだけじゃなくて、臨床判断のサポートシステムとか、サーベイランスのシステムとかも含む)の導入が患者予後に影響するかを検討した45研究のメタ解析。一部を除き、基本的に予後を改善しないというのがメタ解析の結果。

電子カルテやコンピューターによるオーダリングは、簡便で仕事量が減るし、コスト削減にもなるし、ミスも減るからとても良い、どんどん導入しましょう、ということになっているが、そんなのは嘘だというのは誰でも知っている。実際、ミスが増えたとか、死亡率が増えたなんていう研究もあるみたいだ。

でも、過去のカルテを簡単に見れるし、データベースともリンクできるし、データを利用することもできるし、一度やったらやめられないくらい便利な面もあるのも事実。

でもでも、多くのICUで患者情報システムは使用されているけれど、各施設の仕様に合っていないとか、バグがあるとか、インターフェースの問題とか、必ずと言っていいほど問題があって、中には直すのが面倒だったりお金がかかるだったりの理由で、そのまま使っていたりする。

現状はすごく不思議。なんか、根本的な解決策はないのだろうか。
色々な意味で過渡期なのかなー。これからどうなるんだろう。Siriと会話したりとか??
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