Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

院外心停止と病院前低体温療法

2014年01月07日 | 循環
Kim F, Nichol G, Maynard C, et al.
Effect of prehospital induction of mild hypothermia on survival and neurological status among adults with cardiac arrest: a randomized clinical trial.
JAMA. 2014 Jan 1;311(1):45-52. PMID: 24240712.


院外心停止1359例(うちVfが583例)に対し、蘇生後に4℃の生食2-4Lを投与して体温を下げるかどうかでRCT。Primary outcomeは病院退院時の生存率と意識。病院到着前に体温は1.2-1.3℃低下し、低体温療法を施行して体温が34℃以下になるまでの時間が1時間短くなった。でも、退院時生存率およびその時の意識には差は無し。生食投与群で蘇生後の心停止が増加し、肺水腫も増えた。

まあ。
先日の低体温と正常体温の比較を見てしまうと、驚かないというか。
低体温療法そのものの有効性が疑問視されたら、それを1時間早く始めても差が出るとは思えないわな。

ちなみに、JAMAの同じ号に、心マの機械を使うかどうかのRCTも載ってます。
差は、やっぱり無し。

Rubertsson S, Lindgren E, Smekal D, et al.
Mechanical chest compressions and simultaneous defibrillation vs conventional cardiopulmonary resuscitation in out-of-hospital cardiac arrest: the
LINC randomized trial.
JAMA. 2014 Jan 1;311(1):53-61. PMID: 24240611.
コメント
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