Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

脳梗塞急性期の血管内治療

2013年02月10日 | 神経
同じ話題についての文献が複数同時に発表されるシリーズ1。
New England Journalに脳梗塞急性期の血管内治療についての文献が3つまとめてドーン。

Endovascular Treatment for Acute Ischemic Stroke
Alfonso Ciccone, M.D., Luca Valvassori, M.D., Michele Nichelatti, Ph.D., et al.,for the SYNTHESIS Expansion Investigators February 6, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1213701


Endovascular Therapy after Intravenous t-PA versus t-PA Alone for Stroke
Joseph P. Broderick, M.D., Yuko Y. Palesch, Ph.D., Andrew M. Demchuk, M.D., et al., for the Interventional Management of Stroke (IMS) III Investigators
February 7, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1214300


A Trial of Imaging Selection and Endovascular Treatment for Ischemic Stroke
Chelsea S. Kidwell, M.D., Reza Jahan, M.D., Jeffrey Gornbein, Dr.P.H., for the MR RESCUE Investigators
February 8, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1212793


ちょっとずつ違うけど、どれも多施設RCTで、静注のtPAと血管内治療を比較し、予後に差はなかった、という結論。

さすがに3つも読めないよ、と言う人のために。
Editorialにまとめがありますよ。
これだけ読んでもいいんじゃないかな。

Endovascular Treatment for Acute Ischemic Stroke ― Still Unproven
Marc I. Chimowitz, M.B., Ch.B.
February 8, 2013DOI: 10.1056/NEJMe1215730


この結果を踏まえ、じゃあもう血管内治療はやーめた、ということにはならないし、なるべきでもない。
太い血管の脳梗塞の予後は非常に悪いので、研究は進める必要があるから。
今の治療法でも、こういう患者さんには有効というサブグループが見つかるかもしれないし、
Editorialにも書いてあるけど、新しいtPAやデバイスがどんどん開発されているんだって。
期待しましょう。
コメント
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